NECが不規則に置かれた対象物の精密なハンドリングができるロボットAI技術を開発：製造現場向けAI技術

NECは、不規則に置かれた対象物に対して、精密なハンドリング作業ができるロボットAI技術を開発した。「置いて押す」「引いて取る」など、作業環境に応じた動作の組み合わせを、自律的かつリアルタイムに実行できる。

[MONOist]

　NECは2024年2月19日、不規則に置かれた対象物に対して、精密なハンドリング作業ができるロボットAI（人工知能）技術を開発したと発表した。ロボットが自身の行動の結果を、現実に試すことなく予測する技術「世界モデル」を応用したAI技術だ。

　同AI技術は、映像データから作業環境や動作結果を高精度に予測する「時空間予測」と、最適かつ精密な動作を高速で自動生成する「ロボット動作生成」で構成される。同技術を適用することで、従来のロボットには難しかった、対象物や障害物が不規則に配置された環境での精密なハンドリング作業が可能になる。

状況に応じた最適かつ精密な動作の自動生成が可能に［クリックで拡大］ 出所：NEC

　同技術を適用したロボットは、映像データから多様な形状の対象物の動きを高精度に予測するよう学習し、「押す」「引く」といった精密動作が実行可能になった。また、「置いて押す」「引いて取る」など、作業環境に応じた複数の動作の組み合わせを、自律的かつリアルタイムに実行できる。

　さらに、世界モデルを応用したことで、ラベル付けが不要な教師なし学習が可能になり、隠れた対象物の形状の予測モデルを効率的に学習できる。これにより、カメラに見えない領域の作業環境まで正確に予測し、他の物品や障害物と衝突をしない、最適な動作を自動で生成する。

左：多様な形状の物の動きを高精度に予測、右：見えない領域の作業環境を正確に予測［クリックで拡大］ 出所：NEC

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