インタビュー
» 2024年02月02日 12時00分 公開

パナソニック内の実証成果を展開、「SCMのOS」を目指すブルーヨンダーの現在地製造マネジメント インタビュー(1/2 ページ)

パナソニックグループ傘下に入ったSCMソリューションベンダーのブルーヨンダー。次世代プラットフォーム開発など現在の取り組みについて、ブルーヨンダー EVPでCROのコーリー・トレフソン氏と、ブルーヨンダージャパン 代表取締役社長の渡辺大樹氏に話を聞いた。

[三島一孝MONOist]

 2021年9月にパナソニック コネクトによる買収が完了したSCM(サプライチェーンマネジメント)ソリューションベンダーであるBlue Yonder(ブルーヨンダー)。2023年〜2025年の3年間で2億米ドルの投資をパナソニックグループから受け、パナソニックグループとの相乗効果の創出や次世代プラットフォームの開発などに取り組んでいるが、現在の進捗度はどうなっているのだろうか。

 ブルーヨンダーのEVPでCRO(チーフレベニューオフィサー)であるCorey Tollefson(コーリー・トレフソン)氏と、日本法人であるブルーヨンダージャパン 代表取締役社長の渡辺大樹氏に、現在の取り組みと開発を進めている「Luminate Cognitive Platform(Luminateコグニティブプラットフォーム)」について話を聞いた。

photo ブルーヨンダーのコーリー・トレフソン氏(左)とブルーヨンダージャパンの渡辺大樹氏(右)

さまざまなシステムを組み合わせることができるSCM基盤

MONOist パナソニック コネクトによるブルーヨンダー買収が完了して2年が経過しましたが、ここまでの動きと現状の評価について教えてください。

トレフソン氏 ブルーヨンダーはサプライチェーンマネジメントシステムにおいて、3800社の顧客企業があり1万件のサプライチェーンを支援するなど業界でも大きな存在感を持っている。さらに、新しい特許を3日に1件ペースで取得し、毎月38億件の機械学習による計算処理を行うなど、サプライチェーンにデータサイエンスなどの新たな技術を日々取り入れ続けている。3800社の顧客企業のほとんどがSCMにおいてはブルーヨンダーのみを使用するなど、SCM領域を包括的にカバーしている点も特徴だといえる。

 こうした中で2年前にパナソニックグループの子会社となった。また、2023〜2025年の3年間で2億米ドル(約270億円)の投資を受けることを発表した。これらを生かしSCMにおける次世代のプラットフォームを構築するために現在さまざまな開発を進めてきた。

 その成果として、2024年1月11日には、次世代プラットフォームである「Luminate コグニティブプラットフォーム」上で稼働するサプライチェーン全体にわたる初の相互運用可能なソリューション群をリリースすることができた。

 われわれが目指しているのは、さまざまなシステム要素を同一プラットフォーム上で構成できるプラットフォームであり、そのためにシステムをマイクロサービスによりコンポーネント化したコンポーザブルアーキテクチャを採用している。さまざまな産業の流れを見ていくと、ITシステムにおいてもベストオブブリード(マルチベンダーで最適なものを組み合わせる仕組み)で、さらに各業界において採用される「型」のようなものが定まってきている。

 コンポーザブルアーキテクチャにより、部門を超えて、倉庫管理などの計画や実施、製造現場での動きの把握なども含め、さまざまな要素を1つのプラットフォーム上でコントロールできるようになる。ダンカン(ブルーヨンダー CEOのダンカン・アンゴーヴ氏)はよく「ビジネスアプリケーションにおけるスティーブ・ジョブズになる」と冗談めかして言っているが、実際に実現できればそれだけインパクトがあることだと考えている。

 パナソニックグループとの関係では、次世代プラットフォーム開発に向けた投資面だけではなく、文化的にも相互交流を進めており、勉強になる点も多い。例えば、パナソニックグループには「有言実行」という文化があるが、プラットフォーム開発についても先に宣言して約束したものを守るためにどうすればよいのかというように、考え方が変わったところもあった。今はこうした文化的な交流なども重ねながら、エンジニアリングを中心とした企業へと変革を進めているところだ。

渡辺氏 私はパナソニック コネクトからブルーヨンダーに参画したが、パナソニック コネクトとしては以前からハードウェアベースで現場改善活動などをソリューションとして提案してきたが、取り組みの価値をサプライチェーンで広げていかなければならない際に、SCM領域はミッシングピースだった。また、パナソニックグループとしてもハードウェア企業からソフトウェア企業への転換が大きなテーマとなっており、その意味でもブルーヨンダーと一体となることは大きな意味があった。

 その中で相乗効果として「ブルーヨンダー単独でのビジネス成長」「ハードウェアとソフトウェアの掛け算による共同ソリューションの開発」「日本市場での成長」の3つがあると考えている。特に日本市場の顧客は8割強が製造業であり、製造業領域で導入をさらに広げ、ブルーヨンダーとしての浸透を広げていくことが必須だ。この領域を立ち上げていきたい。

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