マーストーケンソリューションは、分解能1μm以下のX線源を搭載したX線傾斜CT「MUX-6410」を発表した。従来のX線源の、高出力だとX線焦点が大きくなり分解能が低下するという課題を解決している。
マーストーケンソリューションは2024年1月15日、分解能1μm以下のX線源を搭載した、ナノ-マイクロマルチフォーカスX線傾斜CT「MUX-6410」を発表した。価格は8000万円で、年間10台の販売を目指す。
同装置は、160kV出力で1μm以下の分解能を備えるナノ-マイクロマルチフォーカスの開放管X線源を搭載する。従来のX線源は、高出力だとX線焦点が大きくなり、分解能が低下するが、その課題を解決している。
同社で実績のある、高輝度フィラメント(Lab6チップ)を採用。レンズ設計や高圧電源部を見直して電子線のドリフトを防ぐことで、60kVと150kV出力において分解能0.5μmを達成した。これにより、X線が透過しにくく微細な内部構造のもの、X線が透過しやすいものが同居している対象物に対し、高精細かつ高コントラストな観察ができる。
標準機能として、幾何学倍率200倍まで拡大可能な実装基板やシステムLSIなどに対応した傾斜CT機能を搭載。また、オプションで10mm以下の試料の高精細な3次元CT像を取得できる直交CTユニットや、はんだが溶ける様子を2D動画で記録できる加熱装置などを提供する。
主な用途として、半導体や電子部品の内部構造の解析、多層基板の配線パターンの解析、高密度コネクターやMEMS(微小電気機械システム)の狭ピッチ配線パターンや内部接触の検査などに対応する。
同社は同装置のほか、専任オペレーターが撮像し、3次元CTデータを提供する受託撮像サービスも用意している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.