スズキがインドで「空飛ぶクルマ」、四輪車の生産能力増強も発表モビリティサービス

スズキはインド・グジャラート州で開催されている州のイベント「バイブラント・グジャラート」において、空飛ぶクルマを手掛けるSkyDriveへの追加出資や、四輪車の生産工場の新設について発表した。

» 2024年01月12日 06時58分 公開
[齊藤由希MONOist]

 スズキは2024年1月10日、インド・グジャラート州で開催されている州のイベント「バイブラント・グジャラート」において、空飛ぶクルマを手掛けるSkyDrive(スカイドライブ)への追加出資や、四輪車の生産工場の新設について発表した。

「バイブラント・グジャラート」においてスズキとSkyDriveは2024年春ごろから製造する「SKYDRIVE(SD-05型)」の模型を展示した[クリックで拡大] 出所:スズキ

 バイブラント・グジャラートではスズキとSkyDriveで共同出展を行ったほか、インドでの事業開発も強化していく。SkyDriveはグジャラート州とのパートナーシップ協定を活用し、2027年をめどにインドでの空飛ぶクルマの社会実装を目指す。SkyDriveは追加出資で調達した資金を空飛ぶクルマの機体開発と製造に充てる。

 SkyDriveとスズキは2022年3月に事業や技術の連携に関する協定を締結。同年9月に出資した。2023年10月にはスズキグループが静岡県磐田市に保有する工場を活用して空飛ぶクルマを製造する協力契約を結んでいる。SkyDriveは2024年春ごろから「SKYDRIVE(SD-05型)」の製造を開始することを目指す。

写真右からインド 首相のナレンドラ・モディ氏とスズキ 社長の鈴木俊宏氏[クリックで拡大] 出所:スズキ

 グジャラート州に新設する工場は、スズキのインド子会社であるマルチ・スズキ・インディアが運営し、2028年度に操業を開始する計画だ。将来的な年間生産能力は100万台規模を見込む。投資額は、土地取得費用を除いて3500億ルピー(約6120億円)となる。取得する土地や生産モデルなどの詳細は今後発表する。

 さらに、スズキはスズキ・モーター・グジャラートに320億ルピーを投資し、将来のEV(電気自動車)の増産を視野に第4生産ラインを設置することも発表した。新設するラインは2026年度に操業を開始し、スズキ・モーター・グジャラートの生産能力は現在の75万台から100万台に増える。グジャラート州に新設する工場を合わせると、生産能力は200万台体制となる。

 インドの四輪車市場の拡大に備えて、スズキは2030年度までに400万台の生産能力を確保する計画だ。2025年に稼働予定のハリヤナ州カルコダの新工場や、今回発表したグジャラート州の新工場、スズキ・モーター・グジャラートでの第4生産ラインの設置などにより、生産能力を積み上げている。

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