ソニーは高品質XRヘッドマウントディスプレイと、3Dオブジェクトの直感的な操作と正確なポインティングを実現するインタラクション専用コントローラーを組み合わせた「没入型空間コンテンツクリエーションシステム」を発表した。
ソニーは2024年1月9日(米国時間)、ビデオシースルー機能を搭載した高品質XRヘッドマウントディスプレイ(以下、XR HMD)と、3Dオブジェクトの直感的な操作と正確なポインティングを実現するインタラクション専用コントローラーを組み合わせた「没入型空間コンテンツクリエーションシステム」について発表した。同システムの提供開始は2024年後半を予定する。
クリエイターによる高度な3Dコンテンツ制作を支援するために、ソニーはエンターテインメントとインダストリアルデザインの分野で、さまざまな3D制作ソフトウェア開発者とのコラボレーションを進めていく予定。その取り組みに先駆け、ソニーはSiemens(以下、シーメンス)と提携し、オープンデジタルビジネスプラットフォームである「Siemens Xcelerator」の新しいソフトウェア「NX Immersive Designer」を使用した、XR空間での没入型デザインおよびコラボレーションエンジニアリング(イマーシブエンジニアリング)のための環境を提供するとしている。
同システムにおけるXR HMDは、Qualcommの最新XRチップ「Snapdragon XR2+ Gen 2」を採用する他、大型/高精細な1.3型 4K有機ELマイクロディスプレイとソニー独自の描画技術を搭載しており、3Dオブジェクトの質感や人物の表情などをリアルタイムかつ高精細に描画できる。デバイスの前面部に計6台のカメラとセンサーを備え、ビデオシースルー方式による没入体験や空間認識に対応する。
XR HMDの他、インタラクション専用コントローラーとして、仮想空間内の3Dオブジェクトを直感的に操作できるリングコントローラーと、仮想空間での正確なポインティングを可能にするポインティングコントローラーも用意する。
また、長時間の使用を想定し、XR HMDの重心バランスや頭部に直接触れるパッドのデザイン、素材などにもこだわり、快適性と安定性を追求。ディスプレイ部分はフリップアップ機構を採用しており、XR HMDを外すことなく現実空間とXR空間を簡単かつシームレスに切り替えながら業務を遂行できる。
同システムの実現により、クリエイターはXR環境で実物大の3Dモデルを確認(レビュー)できるだけでなく、3Dモデルの作成や編集まで行えるようになるという。さらに、サードパーティー製の3D制作ソフトウェアとの統合により、離れた場所にいる関係者同士が同じXR空間上でリアルタイムにレビューを行うことも可能になる。
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