製品開発に従事する設計者を対象に、インダストリアルデザインの活用メリットと実践的な活用方法を学ぶ連載。今回は、YouTubeチャンネル「やんチャンネル」で配信されている「【ざっくり解説】デザインの歴史」シリーズを通じて、デザインの誕生から現代までの流れを歴史的に俯瞰する。
デザインという言葉は、しばしば「形を整えること」や「見た目を良くすること」と同義に扱われがちです。しかし歴史を振り返ると、デザインは常に社会とともに変化してきました。技術革新や都市化、戦争、消費社会、情報化といった社会変化の中で人々の生活の前提が変わり、そこから新たな課題が生まれます。その課題を解決する営みこそがデザインです。
今回は、デザインについて紹介しているYouTubeチャンネル「やんチャンネル」で配信されている「【ざっくり解説】デザインの歴史」シリーズ全11回を手掛かりに、デザイン史の主要な流れに触れてみます。
各回の要点を簡潔に整理し、YouTubeリンクも併記しますので、ぜひ最初から順番に見ていってください。これさえ見れば、デザイナーでなくてもデザインの歴史オタクになれます。
近代デザインの出発点は、産業革命による大量生産の到来にあります。手工業中心だった製造は機械化され、生活用品は広く行き渡るようになりましたが、その一方で粗悪品の増加や装飾過多、労働環境の悪化といった問題も顕在化しました。
重要なのは、デザインが「美しさ」を語る以前に、産業構造の変化によって生じた矛盾を調停する役割として生まれた点です。本動画では、産業革命を起点に、アーツ&クラフツやアール・ヌーヴォー、アール・デコを通じて、近代デザイン誕生の背景を学べます。
工業化が進む中で、デザインは伝統的な装飾芸術から距離を取り始めます。「大量生産に適した形とは何か」「標準化と美しさは両立できるのか」といった問いが生まれました。
本動画では、ドイツ工作連盟や規格化論争を中心に、装飾性よりも合理性や再現性を重視する考え方がどのように形成されていったのかを解説します。デザインが個人の感性から社会システムへと接続されていく転換点を理解できます。
欧州で生まれたモダンデザインの思想は、米国に渡ることで大きく性格を変えていきます。労働力不足やフロンティア精神を背景に、効率性と実用性が強く求められ、「形態は機能に従う」という考え方が定着しました。
本動画では、シカゴ派建築などを例に、米国的合理主義がデザインに与えた影響を解説します。理想よりも現実を重視する姿勢が、後の大量生産社会の基盤となったことが分かります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
メカ設計の記事ランキング