クラウドによるCADデータ管理にフォーカスすると、クラウドプラットフォームへの接続環境を持ち、その利用許可を得ている人は、与えられた権限/制約に応じて、クラウドプラットフォームで一元管理されたデータにアクセスできます。CADデータの編集が可能な人、データを閲覧するだけの人など、その役割に応じた権限の付与が可能です。
CADデータの変更状況の把握や最新のCADデータの入手がリアルタイムに行えるようになるため、チーム設計による並行作業/コラボレーションが可能となります。オンプレミス環境ではできなかったことが、クラウドプラットフォームで実現可能となります。
では、クラウドプラットフォーム利用のデメリットはどこにあるでしょうか? 筆者としては、特に大きなデメリットは感じられませんでした。しかし、クラウドプラットフォームでの運用を開始するに当たっては、検討すべき事項や課題もあります。
以下、「SOLIDWORKS」のクラウドプラットフォーム環境を例に考えます。
社内の設計開発や製造、各フローの問題から課題を見いだして、クラウドプラットフォームによってどのように課題解決できるのかを組織全体を俯瞰しながら考えることが重要です。これが3D CADを起点とした“設計の再考”につながるはずです。クラウドプラットフォームを使うことが目的ではなく、あくまでも手段であることを忘れてはなりません。
次回は“2024年の展望”についてお話したいと思います。お楽しみに! (次回へ続く)
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