半導体製造装置関連や生成AI活用、自動化事例、工場閉鎖...2023年の人気記事FA 年間ランキング2023(2/2 ページ)

» 2023年12月26日 08時00分 公開
[長沢正博MONOist]
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国内回帰の一方で閉鎖される工場も、自動化に取り組んだ中小企業には福音も

 第6位はソニーの“プロ機”の工場が閉鎖へ、湖西サイトが生産終了です。

 経済安全保障やサプライチェーンの見直しから製造業の国内回帰の動きがある一方で、事業再編の一環で閉鎖される工場も少なくありません。放送や映画向けのプロフェッショナル機器を生産していたソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズの湖西サイト(静岡県湖西市)もその1つです。

 テレビ業界の取材をしていたこともある私ですが、現場でソニーの放送、撮影用カメラを見かけることも多かったです。それらの多くを生産していた湖西サイト閉鎖の記事は大きな関心を集めました。

 かつてはソニーの“プロ機”が日本人にしか作れない理由という記事も掲載した中での閉鎖には寂しさも感じます。

生産終了が決まった湖西サイトの外観 生産終了が決まった湖西サイトの外観[クリックで拡大] 出所:ソニー

 第7位はロボットを導入したら社員が増えた? 北陸中小企業が示す自動化と採用の好循環です。石川県でプレス加工を行う中小企業である有川製作所の自動化への取り組みを紹介した記事です。

 「まだ手で作っているんですか」という学生からの一言をきっかけに、自分たちの当たり前は若者にとっての非常識であることに思い至り、自動化に着手。さらに自動化は、生産性向上だけではないさまざまな効果を同社にもたらしました。

 同社の取り組みはITmedia Virtual EXPO 2024冬の講演でも紹介されますので、よろしければぜひご視聴ください。

 第8位は工場内プロジェクションマッピングがモノづくりを変える 山形カシオの実践事例です。カシオ計算機のマザー工場である山形カシオにおける製造現場でのプロジェクター技術の活用事例を紹介した記事です。

 物体にプロジェクターから出力された映像を重ね合わせる「プロジェクションAR(拡張現実)」によって、作業机と検査を行うワーク上に作業ガイドと検査規格を投影し、作業を支援しています。詳細はぜひ記事本編をご覧ください。

photophoto カメラで事前に登録したワークの特徴点を認識し、最適な作業ポイントをワーク上に表示する[クリックで拡大]

 第9位はついにベールを脱いだキヤノンロボットセル、カメラとトルクセンサーで高度制御です。

 コロナ禍による中断を挟み8年ぶりとなるキヤノンおよびキヤノンマーケティングジャパンのプライベート展示会「Canon EXPO 2023」が開かれました。さまざまな新製品や技術紹介が行われた中で、キヤノンの自社製ロボットがついに披露されました。

 販売の予定などはありませんが、自社工場では既に導入されているようです。会場では、トルクセンサーなどを活用したゴルフボールの積み上げのデモンストレーションなどを披露していました。

5個目の積み上げに挑むロボットセル 5個目の積み上げに挑むロボットセル[クリックで拡大]

 第10位はロボットハンドに頭脳を与える近接覚センサーがいよいよ量産、2023年7月発売へです。赤外線とAIを組み合わせ、死角部分を含めた対象物の位置と形を非接触で判断できるThinkerの「近接覚センサー TK-01」に関する記事です。2023国際ロボット展では近接覚センサーを活用したロボットハンド「Think Hand F」も出展しています。

Think Hand Fによるばら積みピッキングのデモンストレーション[クリックで再生]

 いかがでしたでしょうか。読者の皆さまには2023年も大変お世話になりました。2024年もMONOistをよろしくお願いいたします。

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