ifLink 商品showcaseでは東芝デジタルソリューションズとアプライドロボットが、ifLinkを使ったデジタル体験ができるツールセット「ifLink EX」も展示していた。アプライドロボットはifLink EXなどifLinkを軸とした事業展開を掲げる企業で、2023年10月に東芝デジタルソリューションズと資本提携を行った。
ifLink EXはカードを組み合わせて自由な発想を支援する。多種多様なデバイスやサービスを記載した「IF-THENカード」や、さまざまなシーンや利用者を想定した“お題”を設定できるワークショップツール「ifLink オオギリ」、IF-THENカードのQRコードを読み取ってIoTデバイスの動作イメージなどを確認できるスマートフォンアプリ「ifLink タッチ」などで構成されている。
例えば、カード同士をつなげてできた「自宅に帰ってきたらおもてなしをしてほしい」というお題に対して、「開閉センサー」と「スマートプラグ」や「しゃべるぬいぐるみ」などを組み合わせる。ゲーム感覚で取り組むことで、IoTなどのデジタル活用への理解を深め、発想力を高める効果が期待できる。組み合わせの結果、生じるイベントをifLink タッチですぐに確認できる点も特徴だ。基となったのは企業の人事研修などですでに活用されているifLinkの体験用フレームワークで、これを再構築する形でifLink EXを開発した。
ifLink EXを通じて東芝デジタルソリューションズとアプライドロボットが目指すのが、IoTを活用したPoC(概念実証)の活性化だ。アプライドロボット 取締役 COOの張耀光氏は「DX(デジタルトランスフォーメーション)を認知、実践している人はまだ少ない。カード形式であれば誰でもデジタル活用のイメージがしやすく、失敗しても問題ないので幾つものアイデアを検討できる。アイデアが固まれば、ifLinkのコミュニティーを介して共創パートナーを探すこともできる。IoTを使った、新規事業の開発や社内課題の可視化につながると期待している」と説明した。
また、東芝デジタルソリューションズはifLink 商品showcaseの開催と同日の2023年11月10日に、ifLinkプラットフォームの新バージョンを提供開始すると発表した。ifLinkのアプリケーションをスマートフォンだけでなく、対話型ロボットや設置型ゲートウェイ、業務用タブレットなどにも搭載できるようにした。シーンに応じて、より最適なIoT製品、サービスを創出できるようになったとする。
ifLinkオープンコミュニティの担当者は、イベント後の参加者から「見たことがないような斬新な展示物が多かった」「参加者の熱量が高く、密なコミュニケーションが取れた」などの感想を得たとして、「ifLinkやコミュニティーの活動が商用化に向けて大きく舵をきったことの発信と反響に、相応の成果があったと確信している」とコメントした。今後は、ifLinkオープンコミュニティのさらなるオープン化や、外部パートナーとの連携による普及活動を推進するとしている。
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