製品が製造工場からユーザーの元に輸送されるとき、トラックによる振動や宅配業者が落下させてしまうのを想定した、包装(カートン)状態での包装貨物試験などがある。汎用的な規格としてJISに試験内容が記載されている。しかしながら、このように実施して当たり前の試験はカタログなどでアピールされないため、一般に知られることは少ない。これを実施しないと品質問題になりかねないが、その試験の存在を知らないモノづくりベンチャー企業は多い。図3は包装貨物試験の中の振動試験である。
メーカーはアピールしたいが、規格が存在しない信頼性である。試験内容はメーカー独自で考えるしかなく、あくまでメーカー独自の試験内容と結果であることがユーザーに分かるように「当社比2倍の耐久性」などとカタログに記載する。ユーザーには、どのくらい優れているのか理解されにくいが、耐久性をアップさせたことをアピールしたい場合はこのようにする。
ノートPCの開閉回数によるヒンジの耐久性(図4参照)や、ヒンジが壊れない耐荷重のことである。ヒンジなどは、その使い方がさまざまであるため規格はなく、メーカー独自で試験内容を決めて試験する。
4つの信頼性の中でも、日本製品はこの信頼性が特に優れており、世界で評価され、日本製品の競争力を維持している。この一般にあまり知られることのない信頼性の試験内容が、主に企業機密となっているのだ。
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