プラスチックのリサイクル問題に取り組むために新たに提案するのが、プラスチック資源循環DXソリューション「RaaS(Recycle as a Service)」だ。三菱電機では家電リサイクル法への対応を進めてきた中で、グループ会社のグリーンサイクルシステムズで、家電製品のリサイクルに取り組んできた。その中でプラスチックのリサイクルも行ってきたが、リサイクルを効率よく行うためには、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポロプロピレン)など、プラスチック素材別に分別することが必要になる。そのためこれらの素材の帯電条件の違いを生かして選別する静電選別を行ってきた。
具体的には破砕した混合プラスチック片を帯電ドラムにより帯電させ、振動フィーダーで分離する。そして選別部で、帯電条件の違いを生かし、それぞれの電極に引き寄せて分別する。ただ、このやり方は人手による経験を生かして、分別条件などを最適化しており完全自動化はできていなかった。そこで、センサーやAI(人工知能)技術などを用いることで、分別条件の最適化までを自動化できるようにする。そして、さらにそれをパッケージ化し、外部のリサイクル関連企業に展開していくという計画だ。
現状ではまだ、AIなどを活用した自動選別の開発を進めている最中で家電製品に使うプラスチック素材でしかノウハウはない状況だが「マイクロプラスチックの問題など効率的なプラスチックリサイクルの必要性は高まっているが、現状はリサイクルの負荷が高く多くが燃やされているのが現実だ。まずはグループ内で現在の環境で完全自動化を進めつつ効率的な仕組みを開発し、それを他のプラスチック素材や他業界などへも提案を進めていく」と三菱電機 営業本部 事業推進部 リサイクル共創センター 市場開発統括 森真氏は今後の展開について語っている。
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