上記にて第4次産業革命について触れたが、現在欧州では次の産業革命に関する議論、つまり「インダストリー5.0」の検討が進んできている。ドイツが2019年にハノーヴァーメッセで表されたVision2030は、Industry4.0の次の10年のコンセプトとして「自律性」「相互運用性」とともに、「持続可能性(Sustainability)」が重要なコンセプトとして定義された。
このVision2030に沿う形で「Sustainable production: actively shaping the ecological transformation with Industrie 4.0(持続可能な製造 〜Industry4.0によるエコロジカルな変革〜)」と題したレポートではサステナブルな製造の実現に向けた具体的なシナリオも提示されている。また欧州委員会では「人間中心」「サステナブル」「レジリエント」をキーコンセプトとした、インダストリー5.0が2021年に発表されている。Industry4.0はデジタル化により産業の効率化やビジネスモデルの変化を目指したものである。しかし、人間や社会/環境の観点で眺めると十分ではなく、その点を考慮したインダストリー5.0が提唱されたのだ。
これら産業コンセプトが変化する中でデジタルツイン/メタバースに求められる価値も変わり、デジタルツインの役割として生産性/効率性向上など経済性を追求するとともに、下記の重要性が増している。
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