日産自動車は、環境教育の教材となる再生プラスチックを使ったモデルカーを完成させた。教材の材料調達からスクール開催までを市内で完結して循環させる、新たなモデルの構築を目指す。
日産自動車は2023年9月27日、「NISSANエコキャップ アップサイクル プロジェクトin伊那」において、再生プラスチックを使ったモデルカーが完成したと発表した。
同年5月に開始した同プロジェクトは、プラスチックが使い捨てになっている環境問題へのチャレンジとして、長野県伊那市、同市社会福祉協議会、ミヨオーガニック、スワニー、ノエックス、日産自動車が進める取り組みだ。
再生プラスチックの材料となる約30万個のエコキャップを、伊那市内の子どもなどから回収。これをアップサイクルし、日産自動車の子ども向け環境教育「日産わくわくエコスクール」の教材となるモデルカーを500セット製造した。
モデルカーは、電気自動車「日産アリア」をベースにスワニーがデザインし、実車の37分の1のスケールサイズで作られている。モデルカーの電子基板はノエックスが設計、製造した。車体カラーは赤、青、黄、緑、黒の5色で、モデルカーの約90%以上にエコキャップから生成した再生プラスチック材が使われている。
製造においては、スワニーとミヨオーガニックが提供する「アップサイクリング・ワークスペース」を活用することで、伊那市社会福祉協議会の障がい者就労支援事業所2カ所の雇用を創出することにもつながった。
同モデルカーを使った日産わくわくエコスクールは、子どもたちが環境課題への取り組みに参加することで、当事者意識を持ってもらうことが狙いだ。同プロジェクトでは、製造を含めて、教材の材料調達からスクール開催までを市内で完結し循環させる、新たなモデルの構築を目指す。
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