土鍋を想定した炊飯器のモデリングを行うに当たって、熱の流れを追うことにする。図4に示すように、熱は鍋底に入力され鍋底を伝わって、釜内部のお米&水の混合体に入熱される。最初、お米上部にあった水が、水の沸騰を通してお米に水が含水されていく。炊き終わりにはお米&水が一体となった“ご飯”が出来上がる。熱はお釜内の上部気相を通って、鍋ぶたを介してフタ表面からの自然対流とフタ表面からの放射で大気中に伝熱される。
図5に示した各部の熱特性(熱容量、熱コンダクタンス)が定義できれば、各部の温度を予測することが可能になる。鍋底、鍋ぶたに関しては、材料と形状が分かれば自動的に熱容量、熱コンダクタンスが求まる。一方、釜内部のお米&水&空気に関しては厳密には、熱伝導と対流の混合現象と考えられる。参考文献[4]によると、炊飯時の釜内部の温度はほとんど均一とある。これは、熱の伝導性が良いことを意味するので、お米&水&空気の熱特性に関しては、十分に大きい熱コンダクタンスで表現することにする。お米&水、空気&蒸気の熱容量は諸元に従って算出する。フタ表面からの自然対流、放射に関しては等価な熱コンダクタンスに換算する(参考文献[5])。
図5を図2と同じ形式で表現すると図6となる。これを式で表現すると、熱量の連続性に関して、
各部に熱伝導に関して、
各部の熱容量に関係して、
が成り立つ。
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