凸版印刷は、東京農工大学と共同で、複数のロボットの行動を最適化するアルゴリズムに関する研究を開始する。物流倉庫における自動搬送ロボットの搬送経路の最適化を目的とするAI技術を開発する予定だ。
凸版印刷は2023年8月10日、東京農工大学と共同で、人とロボットの協働に向け、複数のロボットの行動を最適化するアルゴリズムに関する研究を開始すると発表した。
同研究では、複数の人とロボットを相互に連携させ、全体の最適化を図りながら、高度な課題を実行させるAI(人工知能)技術「マルチエージェントシステム」を活用する。複数の自律的なロボットをAIカメラや各種センサー、エッジデバイスと連携させ、人の行動の予測、さまざまな状況の変化に対応させる技術を確立する。
具体的には、物流倉庫でのピッキング作業における、人の動きを考慮した自動搬送ロボット(AMR)の搬送経路の最適化を目的とするAI技術に関する研究開発を実施する。
AMRやスマートフォンなどの各システム上で動作するAIを開発することにより、各AMRが複数のAMRやエッジデバイス間における共有情報を利用し、自律的に環境と状況を判断して最適なルートをリアルタイムに動作できるようになる。
また、物流倉庫におけるピッキング業務の省人化と省力化を目指し、AIを活用したモデルラインを構築し、技術検証を実施する。作業者が業務開始前にAIを用いてピッキング作業をシミュレートし、作業計画を策定する補助ツールとしても検証する予定だ。
凸版印刷は、最適化アルゴリズムのAMRへの実装と、ピッキングシステムの試作、ピッキング倉庫における評価実証に取り組む。東京農工大学は、マルチエージェントシステムを活用し、経路最適化アルゴリズムシミュレーターを開発する。
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