キャディがシリーズCで118億円調達、事業強化や人材獲得、グローバル拡大へ投資:メカ設計ニュース
キャディは、シリーズCラウンドで総額118億円の資金調達を実施した。部品調達プラットフォーム「CADDi MANUFACTURING」の成長投資、図面データ活用クラウド「CADDi DRAWER」の機能強化のためのテクノロジー投資などを主な資金使途に挙げる。
キャディは2023年7月5日、シリーズCラウンドで既存投資家のグロービス・キャピタル・パートナーズ、DCMベンチャーズ、グローバル・ブレイン、WiL、ジャフコグループ、ミネルバ・グロース・パートナーズを中心に、他投資家4社を引受先として総額118億円の資金調達を実施したことを発表した。同社は2021年8月のシリーズBで80.3億円の資金調達を実施しており、今回の増資によって累計調達額が217.3億円となった。
創業から現在に至るまでのキャディの歩み[クリックで拡大] 出所:キャディ
シリーズBから現在に至るまでの主な事業成長として、国内トップ企業との取引実績、図面データ活用クラウド「CADDi DRAWER」の急成長、社員数の増強、拠点の拡大を挙げる。
シリーズBから現在に至るまでの主な事業成長について[クリックで拡大] 出所:キャディ
取引顧客については、国内の産業系メーカー売上トップ20社のうち75%と取引実績があり、売り上げ拡大に貢献しているという。2022年6月から提供開始したCADDi DRAWERに関しては、提供から約1年で月次売り上げが10倍超に成長し、米国や加工会社への提供も始めている。
さらに、社員数も230人から590人(2023年6月1日時点)へと2.5倍に増強し、拠点も日本国内に加えて、ベトナム、タイ、米国に進出し、4カ国(12拠点)でビジネスを展開するまでに成長している。
グローバル展開を加速するキャディ[クリックで拡大] 出所:キャディ
今回の調達資金の主な資金使途について、同社は、部品調達プラットフォーム「CADDi MANUFACTURING」のさらなる強化に向けた成長投資、CADDi DRAWERの機能強化のためのテクノロジー投資、さらにこれらを実現するための人材採用/育成を挙げる。
同日行われた記者説明会において、キャディ 代表取締役の加藤勇志郎氏は「2022年6月に提供開始したCADDi DRAWERは急速なピッチで成長しており、現在、われわれはモノづくりとテクノロジーの両面からサプライチェーンの変革を推進している。また、この1年でタイ、ベトナム、米国へも進出を果たし、グローバル展開も加速させている。今回の118億円の増資によって、CADDi DRAWERのさらなる強化、グローバル展開の拡大につなげていく」と意気込みを語る。
部品調達プラットフォーム「CADDi MANUFACTURING」と図面データ活用クラウド「CADDi DRAWER」を軸にサプライチェーンの変革を目指すキャディ[クリックで拡大] 出所:キャディ
⇒ その他の「メカ設計」関連ニュースはこちら
- 図面データ活用による部門連携強化 〜図面データを共通言語化する〜
大変革時代を迎える製造業。従来の縦割り、属人化したモノづくりから脱却し、全ての工程でのプロセス改革を実現するには、図面データや発注実績などの製品データを活用した部門間連携が欠かせない。連載第2回では図面データや発注実績などの製品データを活用した部門間連携の強化について詳しく解説する。
- 今までと同じようにモノづくりができなくなる製造業
大変革時代を迎える製造業。従来の縦割り、属人化したモノづくりから脱却し、全ての工程でのプロセス改革を実現するには、図面データや発注実績などの製品データを活用した部門間連携が欠かせない。連載第1回では製造業を取り巻く変化と、求められる対応方針について取り上げる。
- 調達課題の解消に向け、川崎車両が図面データ活用クラウドを導入
キャディは、川崎重工グループの川崎車両が図面データ活用クラウド「CADDi DRAWER」を導入したことを発表した。川崎車両はCADDi DRAWERの導入によって、“必要な図面を誰もがすぐに見つけられる環境”を構築し、適切なサプライヤー/価格の把握を実現可能とした。
- 製造業の図面データの活用状況を調査、活用が進むも管理環境に課題あり
キャディは、製造業における図面データの活用状況や課題に関する調査を実施し、結果を公表した。多くの企業で図面データの活用が進んでいる一方で、図面の管理環境などで課題があることが明らかになった。
- 類似図面検索や発注実績のひも付けなど図面データ活用でDXを推進する新サービス
製造業向け受発注プラットフォーム「CADDi」を手掛けるキャディは、「日本ものづくりワールド 2022」(リアル展、東京ビッグサイト、2022年6月22〜24日)内の「第34回 設計・製造ソリューション展(DMS)」に出展し、同年6月22日から正式提供を開始した図面データ活用クラウドシステム「CADDi DRAWER」を訴求していた。
- 製造業のオープン化とリモート化、CADDiが提案するwithコロナ時代の新戦略
キャディは、オンラインセミナー「withコロナ時代の製造業 たった2つの新戦略」を開催。今後数年間は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が続くといわれる中、製造業の経営をどのように舵取りしていくべきかについて、同社 代表取締役 加藤勇志郎氏が考えを述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.