キャディは2023年6月7日、製造業で調達購買業務に携わる担当者を対象とした調査レポートを公開した。調達購買業務の担当者の評価に影響する要素や、原価低減のための施策の内容について尋ねた。
キャディは2023年6月7日、製造業で調達購買業務に携わる担当者を対象とした調査レポートを公開した。調達購買業務の担当者の評価に影響する要素や、原価低減のための施策の内容について尋ねた。
今回の調査は2023年4月12〜16日にかけて実施し、インターネットを通じて調達、購買、資材の意思決定に関与する1966人の有効回答を収集した。レポートでは、キャディが2022年8月と同年12月に実施した調査結果にも言及しつつ、今回の調査結果を分析している。
調査では調達購買を担う部署における、担当者の評価に影響し得る要素について尋ねた。「原価低減」「納期順守」「品質改善」「生産キャパシティーの確保」「最適な安全在庫の設定」「サプライヤーの新規開拓」「環境対応」「人権/倫理対応」の8項目を挙げて、それぞれについて評価への影響度合いを答えてもらい、管理職以上の回答を集計した。
その結果、8項目全てで影響する(「非常に評価に影響する」「まあ評価に影響する」の合計値)と回答した割合が50%を超えた。影響するという項目を大きい順に並べると、原価低減(90.3%)、納期順守(89.3%)、生産キャパシティーの確保(74.7%)となった。キャディは「製造業全体で計画に応じた生産量の確保が調達の最重要課題になっている」(プレスリリースより)と指摘する。
また、サプライヤーの新規開拓において「非常に評価に影響する」が30.1%となったことを受けて、「より踏み込んだ施策が求められる組織もある」(同)とコメントしている。環境対応や人権/倫理対応は、他項目に比べて影響するとした割合が小さかったものの、影響しない(「あまり評価に影響しない」「全く評価に影響しない」の合計値)とする回答は10%前後にとどまった。一方で、「どちらとも言えない」とする回答も他項目に比べて多いという傾向も見られた。
原価低減実現のために計画、実行され得る施策についても複数回答ありで尋ねた。その結果、最も多かった回答は「デジタル投資による生産性の向上・業務高度化」(49.5%)だった。業務のデジタル化を通じ、生産性改革を行う必要性を感じる担当者の多さがうかがえる。
2位以降の回答は「教育研修による能力開発」(45.6%)、「自身でスキルアップする」(43.7%)となった。一方で「採用、移動による人員増」(33.0%)や「残業して対応する」(17.5%)という回答も一定数存在したことから、キャディは「時間を投じる他に選択肢がない組織がある」(プレスリリースより)と指摘する。
キャディは調査結果について「地政学リスクや社会情勢の変化は、海外/国内における調達を中心にサプライチェーンに広範な影響を与えた。当社のこれまでの調査では、経営層の9割超が調達業務を見直す必要性を感じると回答したが、部品の転注など多くの施策が未了に終わっている様子が見受けられる。調達購買部門の業務量が増加したことに加えて人員不足のため、これまで通りの価格や納期で部品部材を調達できず、他部署とのコミュニケーションの工数も増えていることが分かった」(プレスリリースより)と解説している。
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