日立製作所のコネクティブインダストリーズセクターが事業戦略を説明。デジタルシステム&サービスセクター、グリーンエナジー&モビリティセクターと緊密に連携する「One Hitachi」による成長を推し進めていく方針である。
日立製作所(以下、日立)は2023年6月13日、オンラインで開催した投資家向け説明会「Hitachi Investor Day 2023」において、2022〜2024年度の中期経営計画「2024中期経営計画(2024中計)」でのコネクティブインダストリーズセクターの事業戦略を説明した。デジタルシステム&サービスセクターとの連携で拡大してきたデジタルソリューション群「Lumada」の事業を、グリーンエナジー&モビリティセクターとの連携によって脱炭素などへの貢献に広げていき、同社を構成する3セクターが緊密に連携した「One Hitachi」による成長を推し進めていく方針である。
コネクティブインダストリーズセクターは、産業分野のインダストリーGr.、ヘルスケア/半導体分野のアドバンストテクノロジーGr.、ビルシステムと家電/空調分野のアーバンGr.で構成されている。日立が強みを持つプロダクト(製品)を中核としながら、これらをデジタルでつなぐことで現場や経営の課題を解決する「トータルシームレスソリューション」を推進している。日立 執行役副社長 コネクティブインダストリーズセクター事業統括本部長の青木優和氏は「サステナブルな社会の実現には分野を超えた『際』の課題解決が重要だ。日立は有力なプロダクトとともにドメインナレッジも有しているので、トータルシームレスソリューションによる『際』の課題解決が可能になる」と語る。
2024中計におけるコネクティブインダストリーズセクターの事業戦略は、Lumadaの顧客協創フレームワークによってインダストリーGr.がこれまで産業分野で培ってきたトータルシームレスソリューションを、アドバンストテクノロジーGr.やアーバンGr.に進化、拡大させていくことだ。
インダストリーGr.が注力してきたロボティクスSIと関わる産業IoT(モノのインターネット)市場や産業用ロボット市場は年率平均10%以上の成長が見込まれている。アドバンストテクノロジーGr.と関わる半導体市場や体外診断市場、アーバンGr.と関わるスマートビルディング市場も同様の高い成長率であり、トータルシームレスソリューションでこの需要を捉えていく。
青木氏は、差別化戦略の要となるトータルシームレスソリューションについて「全体レイヤーで業界における日立独自のテクノロジーや豊富な経験知を生かした『顧客協創型ドメインSI』によって提供される」と説明する。この顧客協創型ドメインSIは、顧客協創フレームワークであるLumadaとドメインナレッジをつなげることによって生み出されるものだ。「Lumadaは強力だがデジタルソリューションは他社も取り組んでいる以上、それだけではダメだ。そこでコングロマリットであることのメリットといえるドメインナレッジが絶対的な強みになる。強いプロダクトが集結したコネクティブインダストリーズセクターの中で、それぞれのドメインナレッジをオープンにして共有化することでさらなる強みつながる」(同氏)という。
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