日立のコネクティブインダストリーズセクターは「One Hitachi」で成長を加速製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

日立製作所のコネクティブインダストリーズセクターが事業戦略を説明。デジタルシステム&サービスセクター、グリーンエナジー&モビリティセクターと緊密に連携する「One Hitachi」による成長を推し進めていく方針である。

» 2023年06月14日 07時30分 公開
[朴尚洙MONOist]
日立の青木優和氏 日立の青木優和氏

 日立製作所(以下、日立)は2023年6月13日、オンラインで開催した投資家向け説明会「Hitachi Investor Day 2023」において、2022〜2024年度の中期経営計画「2024中期経営計画(2024中計)」でのコネクティブインダストリーズセクターの事業戦略を説明した。デジタルシステム&サービスセクターとの連携で拡大してきたデジタルソリューション群「Lumada」の事業を、グリーンエナジー&モビリティセクターとの連携によって脱炭素などへの貢献に広げていき、同社を構成する3セクターが緊密に連携した「One Hitachi」による成長を推し進めていく方針である。

 コネクティブインダストリーズセクターは、産業分野のインダストリーGr.、ヘルスケア/半導体分野のアドバンストテクノロジーGr.、ビルシステムと家電/空調分野のアーバンGr.で構成されている。日立が強みを持つプロダクト(製品)を中核としながら、これらをデジタルでつなぐことで現場や経営の課題を解決する「トータルシームレスソリューション」を推進している。日立 執行役副社長 コネクティブインダストリーズセクター事業統括本部長の青木優和氏は「サステナブルな社会の実現には分野を超えた『際』の課題解決が重要だ。日立は有力なプロダクトとともにドメインナレッジも有しているので、トータルシームレスソリューションによる『際』の課題解決が可能になる」と語る。

コネクティブインダストリーズセクターは「際」の課題解決を可能とするトータルシームレスソリューションを推進している コネクティブインダストリーズセクターは「際」の課題解決を可能とするトータルシームレスソリューションを推進している[クリックで拡大] 出所:日立

「Lumada」に加えてドメインナレッジが強みに

 2024中計におけるコネクティブインダストリーズセクターの事業戦略は、Lumadaの顧客協創フレームワークによってインダストリーGr.がこれまで産業分野で培ってきたトータルシームレスソリューションを、アドバンストテクノロジーGr.やアーバンGr.に進化、拡大させていくことだ。

コネクティブインダストリーズセクターの事業戦略の基本方針 コネクティブインダストリーズセクターの事業戦略の基本方針[クリックで拡大] 出所:日立

 インダストリーGr.が注力してきたロボティクスSIと関わる産業IoT(モノのインターネット)市場や産業用ロボット市場は年率平均10%以上の成長が見込まれている。アドバンストテクノロジーGr.と関わる半導体市場や体外診断市場、アーバンGr.と関わるスマートビルディング市場も同様の高い成長率であり、トータルシームレスソリューションでこの需要を捉えていく。

注力市場の動向と成長戦略 注力市場の動向と成長戦略[クリックで拡大] 出所:日立

 青木氏は、差別化戦略の要となるトータルシームレスソリューションについて「全体レイヤーで業界における日立独自のテクノロジーや豊富な経験知を生かした『顧客協創型ドメインSI』によって提供される」と説明する。この顧客協創型ドメインSIは、顧客協創フレームワークであるLumadaとドメインナレッジをつなげることによって生み出されるものだ。「Lumadaは強力だがデジタルソリューションは他社も取り組んでいる以上、それだけではダメだ。そこでコングロマリットであることのメリットといえるドメインナレッジが絶対的な強みになる。強いプロダクトが集結したコネクティブインダストリーズセクターの中で、それぞれのドメインナレッジをオープンにして共有化することでさらなる強みつながる」(同氏)という。

トータルシームレスソリューションによる差別化戦略 トータルシームレスソリューションによる差別化戦略[クリックで拡大] 出所:日立
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.