次に、購買フローの後半に属するユーザーが使うキーワードでのアクセスを増やすためのSEO対策を実施する。購買フロー前半のユーザーは、Webサイトへアクセスしても情報収集で終わってしまい、問い合わせに直結しないことが多いので注意が必要だ。
コンテンツ制作を行う際には、対策キーワードごとに検索ユーザーの検索意図調査および競合サイト調査を行った上で、適切なコンテンツを準備してほしい。
検索意図調査は、「キーワードプランナー」や「ラッコキーワード」といった無料でも使えるツールを活用したり、実際に検索エンジンで検索した際に表示されるサジェストキーワードや、検索結果中に表示される「他の人はこちらも質問」を参考にしたりするとよいだろう。
競合サイト調査は、対策するキーワードで検索した際に上位表示しているWebページを10〜20個ほどピックアップし、どのようなコンテンツを掲載しているページが上位表示される傾向があるかを調べてみてほしい。
次に第3の壁である「問い合わせを獲得できているが受注できない」を乗り越える方法について解説する。受注率の低い製造業者には、WebマーケティングにおけるKGI※1を「問い合わせ数」に設定している場合が少なくない。しかし、営業リソースや生産キャパが限られている企業にとって、受注率の低い問い合わせが増えすぎることはよろしくない。そのため、KPI※2を問い合わせ数、KGIを受注数(受注率)として追っていくべきだ。
以下より、第3の壁を乗り越えるためのステップを解説する。
※1、2:「KGI」はビジネスゴールを定量的に示した指標そのものであるのに対し、「KPI」はKGI達成までの各プロセスの達成度を測るもの
まずは問い合わせ内容を記録し、受注可否と理由をまとめて原因を特定する。第3の壁でつまずく原因として多いのが、問い合わせの内容と自社の強みが合致していないことだ。自社の強みと合致しない問い合わせを多く獲得している場合は、そもそもの顧客ターゲットを見直す必要がある。
3C分析で自社の強み、顧客のニーズ、競合との差別化要素を整理する。3C分析とは「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の関係性を分析することで、それぞれ3つの頭文字Cをとって「3C」と呼ぶ。
特に中小製造業において、以下の視点で3C分析を行うと効果的である。
Webサイトの改修で意識すべき観点は2つある。1つ目は対策するキーワードの見直しだ。立案し直した戦略のもと、ターゲットに設定した見込顧客がどのようなキーワードで検索する傾向があるのかを徹底的に考える。この際に前述した購買フローも描いてみることをおすすめする。
2つ目はWebコンテンツの見直しだ。設定したターゲットの困りごとに対し、自社の強みを分かりやすく訴求できるようなコンテンツを再検討し、Webサイトに反映させる。
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