東京ガスとSCREENホールディングスは、水電解用触媒層付き電解質膜の、電極面積800cm2超サイズでの高速量産化技術を確立した。燃料電池用CCM製造向けの触媒塗工技術を活用し、製造プロセスと触媒インク配合を最適化した。
東京ガスは2023年3月15日、SCREENホールディングス(SCREEN)と共同で、水電解用触媒層付き電解質膜(水電解用CCM)の、電極面積800cm2超サイズでの高速量産化技術を確立したと発表した。
水電解用CCMは、プロトン交換膜(PEM)水電解用セルスタックの性能やコスト、耐久性能を左右する重要な構成部品だ。
今回開発した技術は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の支援によって開発された燃料電池用CCM製造向けの触媒塗工技術を活用。同技術を水電解用CCMへ転用する際に、電極にクラックや触媒の凝集が生じてしまう課題に対し、製造プロセスと触媒インク配合を水電解用に最適化することで解決した。
東京ガスとSCREENは、SCREENの「ロールtoロール方式」を使ったグリーン水素製造用水電解装置の中核部品となる低コストセルスタックの高速生産技術の開発に以前から取り組んできた。今回開発した技術によって、電極面積800cm2を超えるサイズの水電解用CCMの製作に成功するとともに、その量産化技術を確立した。
今後は、さらなるサイズ拡大のための技術開発を進め、水電解システムメーカーの需要帯5000cm2サイズの水電解用CCMの量産設備を構築し、2025年度の量産開始を目指す。
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