日本能率協会はアジアおよび日本における優れた工場改革活動を表彰する「GOOD FACTORY賞」の表彰式を東京都内で開催した。
日本能率協会は2023年3月8日、アジアおよび日本における優れた工場改革活動を表彰する「GOOD FACTORY賞」の表彰式を東京都内で開催した。
GOOD FACTORY賞は工場の生産性、品質向上などさまざまな改革活動へ取り組む事例に着目し、そのプロセスや成功要因、現場の知恵、働く人々の意識改革、社会的貢献などの内容を幅広く取り上げるものだ。
工程改善やSCM改善、物流革新や自動化などに関する「ものづくりプロセス革新賞」、全員参加の改善活動や技能伝承、人材育成、能力開発への取り組みなどに関する「ものづくり人材育成貢献賞」、環境対応や福利厚生、地域社会への貢献などに関する「ものづくりCSR貢献賞」、総合的な工場運営に関する「ファクトリーマネジメント賞」の4つからなる。2011年に始まり、コロナ禍での中止を経て今回11回目となる。
日本能率協会 会長の中村正己氏は「日本能率協会は2023年で創立80周年を迎える。この80年間最も大事にしてきたのは現場だ。現場なくして経営なし。現場なくして人材育成なし。そんな観点から優秀な工場を表彰し、それぞれの工場を模範、モデル工場としていただきたいという思いから11回目を迎えることができた」と語る。
今回は花王のタイ生産拠点Kao Industrial(Thailand)がものづくり人材育成貢献賞、ダイキン工業のタイ生産拠点DAIKIN COMPRESSOR INDUSTRIESがものづくりプロセス革新賞、トヨタ自動車のタイ生産拠点SIAM TOYOTA MANUFACTURINGと東芝の豊前東芝エレクトロニクス(福岡県豊前市)、リコーの沼津事業所 CMC事業本部(静岡県沼津市)がファクトリーマネジメント賞を受賞した。
受賞各社を代表してあいさつに立ったリコー 代表取締役社長 執行役員 CEOの山下良則氏は、中村氏の言葉を受けて「私もフランスや中国で工場立ち上げに携わったが、解は現場にある。PowerPointの中にはない。日本人のモノづくりは本当に丁寧で、真摯に向き合う姿勢があり、誇りに思っている。高い生産技術力はもちろんだが、真心を込めてユーザーに届ける日本企業の姿勢が海外に展開され、世界に高い品質の製品を届けている」と述べた。
審査委員会の委員長を務めた東京工業大学 名誉教授で東京理科大学 経営学部 教授の伊藤謙治氏は「前回はWeb会議システムを活用して審査を行い、手応えも感じていたが、今回は海外も含めて全て現場を見ることができた。やはり現場を見なければだめだ、ということで全員の意見が一致した。今後はモノづくりを中心としながらも、SDGsをはじめとしたもっと幅広い社会貢献、地域貢献も対象にしていくのではないか」と講評した。
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