ここまで挙げたトレーサビリティーの課題を解決するポイントは以下の通りです。
ここまで挙げてきた、どの材料をいつ購入して、いつの生産ロットに使ったのか、製品の生産ロットをいつどこに納入したのかについてのひも付けを行うのにはデータ入力の工数がかかります。このため十分な対応ができておらず、問題が発生すると回収範囲が広くなってしまう状況にあります。
データ入力の省力化に役立つのかRFIDです。電波を用いてICタグのデータを非接触で読み取れるRFIDは、トレーサビリティーの課題解決に大いに貢献します。
加工や組み立てによって生産される製品は、生産ライン上で製品を1個ずつ流す一個流しによって最後に箱詰めされます。箱詰めをした後、パレットに積み付けをするのが一般的です。
今は箱詰めやパレットの積み付けも協働ロボットやパレタイザーロボットによる自動化が進んでいます。この時に箱やパレットに付けたRFIDに自動で製品の品番、ロット番号、数量を自動で書き込みをすることで入力作業がなくなります。
製品を倉庫からピッキングする際にフォークリフトを使用してパレットごとに出庫するケースが増えています。パレット単位で出庫する場合には、製品入庫の際にひも付けた製品とパレット情報のひも付け情報をパレットのRFIDを読むことで積み付けた全ての製品の品番、ロット番号、数量の情報が読み取れます。
RFIDの読み取りもRFIDゲートを通すことで自動で行えます。どの業界も最近はトラックの配送をパレット配送に切り替えていく傾向にあります。そうなると製品出庫したパレットをトラックにそのまま積み込めます。
例えば、パレットの積み付け数が縦3箱、横3箱、高さ4段の場合、36箱分の情報がパレットのRFIDから読め取れますので、情報入力の工数削減の効率化が図れます。インプット費用が1回5円とすれば、1パレットで180円の費用削減が可能です。仮に10t(トン)車1台に30パレット乗せられるとなると、トラック1台当り5400円のインプット費用の削減につながります。
RFIDを利用する際の注意点としては以下のようなことが挙げられます。
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