また、産業用太陽光発電システムのパワーコンディショナー自体も、大型の設備になる集中型から、人手で運搬/設置できる分散型への移行が進んでいる。可搬性が特徴の分散型パワーコンディショナーの開閉器にはプリント基板用リレーが最適だが、大規模発電所などでは保守負担や故障率を低減するために1台当たりの出力を増やす必要があり、大電流化が求められていた。
しかし、プリント基板用リレーは、はんだ付けで実装を行えるように端子の形状や大きさが限られており接触抵抗が大きくなってしまう。接触抵抗が大きいと大電流を通電する時の発熱が大きくなり、リレー内の構造部材やプリント基板、その他の実装部品の許容温度を超えてしまうことが課題になっていた。
2021年7月発売のG9KAは、この課題をクリアするために0.2mΩ以下と極めて低い接触抵抗を実現した製品だが、定格200A/800Vにとどまっている。G9KA-Eでは、この低接触抵抗の技術を踏襲しつつ、端子面積を増やすことによる放熱性の向上とスタンドを高くすることによる通風性の向上で高放熱を可能にし、定格300A/1000Vを実現した。
G9KA-Eの主な用途は分散型パワーコンディショナーだが、モジュール化が進む集中型パワーコンディショナーへの提案も進める。また、最大出力が100kW以上への高出力化が検討されているEV用急速充電器でも引き合いは強いとしている。
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