島津製作所が関東初の大規模研究開発拠点を開所、キングスカイフロントに研究開発の最前線(2/2 ページ)

» 2023年01月17日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
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約100台の分析計測機器を4つのラボに展開

 Shimadzu TIPは、1階に「Material Science Labo」、2階に「Healthcare Science Labo」と「Optics Science Labo」、3階に「Green Science Labo」と4つのラボがあり、これらに合計100台の分析計測機器を展開している。

 Material Science Laboは、金属/プラスチックをはじめ、医薬品/食品/生体試料など、さまざまな材料、製品の物性計測、表面観察、内部観察などを行う。重量物となる大型の計測器を設置できるように5トンまでの床荷重に対応している。Healthcare Science Laboは、医薬品の開発/製造、疾病のマーカー探索、食品中の残留農薬やアレルゲン物質の確認など、島津製作所が現在最も注力しているヘルスケア事業に関わるソリューションを提供する。Optics Science Laboは、同社のコア技術である分光/X線の技術を用いて、各分野での製品開発、製造、品質管理の現場を支えるソリューションを提供する。Green Science Laboは、ヘルスケアに次ぐ注力分野となるカーボンニュートラルなどの地球温暖化対策や有害物質の確認などグリーン技術に関わる先端分析手法の開発を行う。

「Material Science Labo」の様子さまざまな治具をそろえる 「Material Science Labo」の様子。中央の吹き抜け階段の踊り場から見下ろすことができる(左)。アプリケーション技術開発で活用できるようにさまざまな治具もそろえている(右)[クリックで拡大]
「Healthcare Science Labo」の様子「Optics Science Labo」の様子 「Healthcare Science Labo」(左)と「Optics Science Labo」(右)の様子[クリックで拡大]
「Green Science Labo」の様子 「Green Science Labo」の様子。床材はVOCが出ないアマニ油で処理した木材を使用している[クリックで拡大]

 これらのラボの他、1階には島津製作所の製品や取り組み、歴史を紹介する展示空間、3階には従業員が執務を行うオフィス、4階にはイベントホールがある。イベントホールは、2つに分割可能なメインホールに加え、吹き抜け階段の頂上部に位置する球形のホール「ICHIHANA HALL」がある。ICHIHANAとは、京言葉で「いちばんに」「真っ先に」という意味の「いちはなだつ」に由来している。外観は直径20mの球体となっており、経営理念の「“人と地球の健康”への願いを実現する」の地球や、島津製作所が創業間もない時期に行った「日本初の有人軽気球」をイメージしているという。球体の表面には、島津製作所の事業を紹介する奥下和彦氏制作のレーザーピクチャーアニメーションが表示されている。

1階の展示空間 1階の展示空間[クリックで拡大]
4階の「ICHIHANA HALL」を外から見た状態 4階の「ICHIHANA HALL」を外から見た状態[クリックで拡大]

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