三菱電機は、自社AI技術を使った作業分析技術「骨紋」を応用し、複数人物の行動に相関があるかを判定することで、暴力行為などの危険行動を高精度に自動検知する技術を開発した。
三菱電機は2022年12月7日、自社開発のAI(人工知能)技術「Maisart」を使った作業分析技術「骨紋」を応用し、暴力行為などの複数人物間で発生する危険行動を、約90%の精度で自動検知する「骨紋による危険行動検知技術」を開発した。
複数人物の骨格情報を分析することで、複数人物の間で発生する暴力行為などの危険な行動の検知精度を高めた。従来はカメラ映像から検出した骨格情報から人物の姿勢を1人ずつ分析していたため、暴力行為と握手のような、姿勢が似ている行動を誤検知することがあったという。
骨紋による危険行動検知技術は、まず検出した骨格情報から動きの特徴を抽出。複数人物の動きの特徴をAIが比較、分析して、相関があるかを判定する。相関がある人物の動きを見つけたら、骨格が動いた軌跡、距離、速さに注目。握手をしているのなら、骨格はほぼ動かず、距離、速さも小さくなる。しかし、つかみ合っていると、一方が他方を押すと骨格が動くことで同じ方向に軌跡が発生し、距離や速さも大きくなる。
こうした行動内容の関係性をAIに学習させることで、暴力行為などの危険行動を約90%の精度で自動検知できるようになった。握手など、複数人物の動きに相関はあっても危険ではない行動を誤検知しないことも確認できたとしている。
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