たけびしは、「IIFES 2022」において、三菱電機のシーケンサー「MELSEC iQ-R」向けの組み込みAI(人工知能)ソフトウェアを披露した。同ソフトウェアを組み込んだC言語インテリユニットを追加するだけで、ラダープログラムから組み込みAIをファンクションブロックとして呼び出せる。
たけびしは、産業用オートメーションと計測技術の展示会「IIFES 2022」(2022年1月26〜28日、東京ビッグサイト)において、三菱電機のシーケンサー「MELSEC iQ-R」向けの組み込みAI(人工知能)ソフトウェアを披露した。同ソフトウェアを組み込んだC言語インテリユニットを追加するだけで、ラダープログラムから組み込みAIをファンクションブロックとして呼び出せる。これにより、品質予測や故障予知、摩耗予測などのAI機能を装置や設備に簡単に追加できるようになる。
この組み込みAIソフトウェアは、MELSEC iQ-RのC言語インテリユニット上をAIユニットにするためのものだ。クロスコンパスのAI生成ツール「MANUFACIA」を用いて作成したAIの推論アルゴリズムをC言語インテリユニットにダウンロードすると、MELSEC iQ-Rのラダープログラムからファンクションブロックとして推論アルゴリズムを呼び出せるようになる。
展示では、MELSEC iQ-Rで産業機器の制御を行う際に一般的に用いるCPUユニットや通信ユニットに、同社の組み込みAIソフトウェアを搭載するC言語インテリユニットを追加するだけで簡単にAI機能を追加できることをアピールした。「産業機器の制御プログラミングでは現在もラダープログラムが広く利用されている。当社の組み込みAIソフトウェアはそのラダープログラムからAIが呼び出せるとともに、C言語インテリユニットとして後付けする形でAI機能を追加できるので、量産装置に安価にAIを導入するのに適しているのではないかと考えている」(たけびしの説明員)という。
主な用途は、品質予測や故障予知、摩耗予測などになる。「C言語インテリユニットの処理能力を考慮すると、入力データをリアルタイムで全数チェックするようなAIを動作させるのは難しいが、品質予測や故障予知、摩耗予測のように、装置の状態を一定周期で見ながら予測するような用途であれば十分に対応できる。生産ラインの再稼働前のパラメータ調整などにも適用できるだろう」(同説明員)。
現在、一部顧客とのPoC(概念実証)を進めている段階。今後もPoCを重ねた上で実用化にこぎつけたい考えだ。
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