三菱電機は、新開発のシーケンサ(プログラマブルコントローラ)「MELSEC iQ-Rシリーズ」をSCF2013で展示した。高速システムバスの採用により現行製品に比べてシステム性能を約5倍に高めることで、TCO(Total Cost of Ownership)の削減を可能とする。セキュリティキー認証機能を搭載するなど、セキュリティ機能も強化した。
三菱電機は、「システム コントロール フェア(SCF) 2013」(2013年11月6日〜8日、東京ビッグサイト)で、新たに開発したシーケンサ(プログラマブルコントローラ)「MELSEC iQ-Rシリーズ」を展示した。高速システムバスの採用により現行製品に比べてシステム性能を約5倍に高めることで、TCO(Total Cost of Ownership)の削減を可能とする。セキュリティキー認証機能を搭載するなど、セキュリティ機能も強化した。2014年6月より発売される予定だ。
MELSEC iQ-Rシリーズは、製造業におけるTOC削減と、ネットワーク化に伴う資産流出のリスク低減を主眼に開発された。システム性能を向上させるため、シーケンサ(CPUユニット)自体の処理性能を高めた。MELSEC iQ-Rシリーズは、現行の「MELCOM-Qシリーズ」に比べて約40倍のスループットを実現する高速システムバスを採用している。これによって、複数搭載されているCPU間のデータ伝送を高速に行うことができる。「新しいシステムバスの開発・採用は15年ぶりだ。システムバスの高速化により、システム性能も約5倍高めることができる」(説明員)という。新型のCPUユニットに加えて、ネットワークユニットやI/Oユニットなども用意する。
もう1つの特徴がセキュリティ機能の強化である。プログラム資産の流出を防止する「セキュリティキー認証機能」や、外部からの不正アクセスを防ぐ「IPフィルタ機能」を搭載している。
この他、システム異常などの内部データをSDカードに自動保存するメモリダンプ機能や、シーケンサへの操作をCPUユニットに自動歩斬する操作履歴機能など、トラブル発生時のメンテナンス工数を削減できる機能を備えた。プログラムの開発工数削減への対応も行った。新たに用意するエンジニアリング環境「GX Works3」では、ソフトウェアを構造化する「構造化プログラム」の操作性向上を図ったという。もちろん、現行のMELCOM-Qシリーズで作成したプログラムも流用することができる。
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