富士通は「CEATEC 2022」において、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用した3D(3次元)の未来工場などをアピールした。
富士通は「CEATEC 2022」(同年10月18〜21日、幕張メッセ)において、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用した3D(3次元)の未来工場などをアピールした。
富士通の「COLMINA デジタル生産準備 VPS GP4(以下、VPS GP4」は、製品と作業者の動きを3Dの仮想生産ライン上でシミュレーションすることで、効率的な工程設計と多面的な評価、検証を行う工程計画ツールだ。
仮想空間の中に工程を再現して、作業者がどのように動き、製品が流れていくかを視覚的に見ることができ、単なるタクトタイムだけではなく、作業者の移動距離や姿勢の変化まで換算して各作業者の負荷を可視化し、全体の最適化を促す。
レイアウト、作業者の配置、作業内容、歩行動線を決めてシミュレーションを実行すると、山積み表や作業組み合わせ表を自動で作成する。また評価テーブルには、生産性と作業性を数値評価した結果が表示され、目標タクトで作業が実施できるか、ボトルネックとなっている工程はどこかを確認できる。
工程のレイアウトは簡単に入れ替えることができ、シミュレーションを繰り返しながら最適な工程を設計することができる。
シミュレーションを経て出来上がった生産工程のモデルでも、作業者の目線になった時に思わぬ不具合が見つかることもある。
「COLMINA デジタル生産準備 VPS Xphere」は、VPS GP4などで作成した製造工程のモデルを取り込み、仮想空間で組立手順を再現し、リアルスケールの仮想空間内で実機と同じ感覚で体験することで品質の早期作り込み、リードタイムの短縮とコスト削減を実現するソリューションだ。
VRヘッドセットを付けて仮想空間内で実際の作業位置に立ち、実際の大きさに表現された製品やトレーなどを手順通りに動かし、スムーズに作業が進むか、負担が掛かる姿勢になっていないかなどを確認する。視点は本人の身長も換算して表示されるため、作業動作を試すことで部品を置く棚が高すぎたり、置きづらくなっていたりしないかなども分かる。
「生産ラインに立ってみたら、両手がふさがった時に部材などを置くところがなく、急きょ棚を作って動線が悪くなったといったケースはよく起こる。VRを利用して、作業者の身体的特徴も考慮した検証を行うことで、実際に生産ラインを作る前に課題を抽出して改善ができ、設備導入後の修正を極力少なくすることができる」(説明員)
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