VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集

明電グループ社員の安全意識向上を目的とする「メタバース安全伝承館」を開発製造業メタバース

明電舎と子会社の明電システムソリューションは、インフィニットループおよびそのグループ会社であるバーチャルキャストと共同で、社員向け安全教育の強化を目的とした「メタバース安全伝承館」を開発した。

» 2022年10月19日 08時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 明電舎と子会社の明電システムソリューションは2022年10月17日、インフィニットループおよびそのグループ会社であるバーチャルキャストと共同で、社員向け安全教育の強化を目的とした「メタバース安全伝承館」を開発したことを発表した。

活用イメージ【1】 活用イメージ【1】(左)が沼津事業所内にある「安全伝承館」での教育の様子、(右)が「メタバース安全伝承館」を活用した教育の様子[クリックで拡大] 出所:明電舎

メタバースを活用した社員の安全教育を促進する明電舎

 明電舎は2020年、明電グループ社員の安全意識向上を目的とする施設「安全伝承館」を沼津事業所(静岡県沼津市)内に開設。同施設は、過去に同社で発生した災害や事故の事例を風化させることなく、語り継ぎ、学び、安全を考える場として活用するもので、災害件数の推移や安全への取り組みに関する年表の他、過去に発生した事故の概要や原因、再発防止対策のパネル展示、災害経験者へのインタビューや安全啓発の映像などを上映している。災害経験者が自らの思いを語ることで、災害の悲惨さと安全確保の重要性を伝える教育施設として運用しており、これまでの明電グループ社員の来場者数は、延べ890人に達しているという。

 メタバース安全伝承館は、沼津事業所内にある現実の安全伝承館の機能をメタバース上に再現するもので、これまで困難だった遠方拠点からの来場やコロナ禍における来場者数の減少といった課題を解決するために開発された。VR(仮想現実)ヘッドマウントディスプレイ(HMD)があれば、場所の制約に縛られることなく、複数の社員がメタバース上に集い、意見交換することができる。今後同社は、国内拠点だけでなく、海外現地法人を含む全ての明電グループ社員のメタバース安全伝承館への参加を目指すとしている。

活用イメージ【2】 活用イメージ【2】(左)が沼津事業所内にある「安全伝承館」での教育の様子、(右)が「メタバース安全伝承館」を活用した教育の様子[クリックで拡大] 出所:明電舎
明電グループ社員の「安全への誓い」(絵馬)の掲示 明電グループ社員の「安全への誓い」(絵馬)の掲示。(左)が沼津事業所内にある「安全伝承館」、(右)が「メタバース安全伝承館」での様子[クリックで拡大] 出所:明電舎

 安全伝承館およびメタバース安全伝承館では、各コーナーでの音声ガイダンスの利用、安全理解を促進する動画資料の視聴、明電グループ社員の「安全への誓い」(絵馬)の掲示/閲覧、CGによる事故事例の再現(メタバース安全伝承館のみ)などを体験できる。

「メタバース安全伝承館」でのみ体験可能な事故事例の再現コンテンツ 「メタバース安全伝承館」でのみ体験可能な事故事例の再現コンテンツ 出所:明電舎

 今回メタバース上で再現された教育コンテンツは、インフィニットループおよびバーチャルキャストとの共同開発で2022年5月に発表した「メタバース安全体感教育」の実績を応用して開発された。引き続き、明電グループは、労働災害撲滅を目指し、あらゆる先進技術を活用しながら、安全意識の高い社員の育成を推進していくとする。

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