アクセンチュアは2022年7月5日、世界の最新テクノロジートレンドに関する調査レポート「Technology Vision 2022」の記者発表会を、3次元の仮想空間「メタバース」上で開催した。登壇者や報道陣も自身の分身「アバター」で参加した。
アクセンチュアは2022年7月5日、世界の最新テクノロジートレンドに関する調査レポート「Technology Vision 2022」の記者発表会を、3次元の仮想空間「メタバース」上で開催した。登壇者や報道陣も自身の分身「アバター」で参加した。
レポートは「メタバースで会いましょう。ビジネスを再創造するテクノロジーと体験の融合」とのタイトルで、近年注目を集めるメタバースを取り上げている。アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービスグループ共同日本統括 マネジングディレクターの山根圭輔氏は「全ての企業はテクノロジー企業になる。では、テクノロジー企業が次に備える技術革新とは何かといえば、メタバースではないかと考えている」と語る。
Technology Vision 2022の作成に当たっては日本を含む35カ国、23の業種、4600人以上の企業経営層およびIT担当幹部を対象に調査を実施した。調査では、71%の経営幹部がメタバースが自社にポジティブなインパクトをもたらすと回答した。
メタバースは単なるVR(仮想現実)と思われがちだが、アクセンチュアでは「現実から仮想空間までまたがる連続的な共有体験」に重きを置き、メタバース連続体として捉える。「メタバースによってばらばらだったテクノロジーがつながり、仮想と現実が行き交えるようになり、分離していた企業と顧客が融合して接点が広がる。メタバースはこれら3つの連続体として考えている。3つがつながることで人々の生活、企業の活動を取り囲んで変革をもたらす」(山根氏)。
このメタバース連続体を支える4つのトレンドとして「WebMe」「プログラム可能な世界」「アンリアル」「不可能を可能にするコンピューティング」を挙げた。
WebMeでは、次世代の分散型インターネット「Web3」によって、これまで国や大企業に預けていた個人のデータを自身で管理できるようになり、デジタル資産の価値が物理的な資産と並ぶ、あるいは超える可能性があると指摘した。また、Web3とメタバースが連動することで、個人がさまざまな空間、サービスを行き来する世界が到来、データ所有権を個人に取り戻す技術が求められるとした。
プログラム可能な世界では、山根氏はデジタル革命の最後にして最大のフロンティアは物理世界とした上で、「デジタルと物理の世界がシームレスにつながってパーソナライズされる、これがプログラム可能な世界」と話した。そのためにデジタルツインドリブンを発想の核にし、工場や業務プロセスなど局所的な活用にとどまるのではなく、今後の企業活動全てをデジタルツインありきで考え、現実と同時に仮想世界を作成するという発想の転換を呼びかけた。
プログラム可能な世界を構築するためには、5G、IoT(モノのインターネット)デバイスなどの「コネクト」、AR(拡張現実)グラスなどでデジタル体験を物理世界に溶け込ませる「エクスペリエンス」、可変性のあるデジタル素材がモノを制御、カスタマイズする「マテリアル」の3つの層における取り組みが重要とした。
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