海外クラファンで話題、超大型光造形3Dプリンタの国内販売を開始:3Dプリンタニュース
サンステラは、12.8インチの6KモノクロLCDスクリーンを搭載した、光造形方式3Dプリンタ「Elegoo Jupiter」の販売を開始した。高品質な構成部品と優れたデザイン性、充実した機能で造形精度や耐久性、ユーザビリティを高めている。
サンステラは2022年9月22日、12.8インチの6KモノクロLCDスクリーンを搭載した、光造形方式3Dプリンタ「Elegoo Jupiter」を発売し、出荷を開始した。Elegooが開発した3Dプリンタで、海外のクラウドファンディングで6億円以上の調達に成功したこともあり、注目を集めている。
光造形方式3Dプリンタ「Elegoo Jupiter」[クリックで拡大] 出所:サンステラ
12.8インチの大型パネルに、加工エリアも278×156×300mmと広いため、大型モデルや複数の小型モデルの高精細な造形が可能だ。
複雑な形状モデルの高精細造形が可能[クリックで拡大] 出所:サンステラ
筐体は金属製で強度に優れ、主要部品も高強度のメタル素材を使っている。ボディーのシートメタル(板金)は長期にわたって劣化や傷を防ぎ、ハンドルなどにアルミニウム合金を用いることで軽量化を図っている。
高品質な部品構成で耐久性を向上[クリックで拡大] 出所:サンステラ
高品質のZ軸ボールスクリューは耐久性が高い上に、60dB以下と静音かつ滑らかに動く。また、4スライダーデザインにより安定性と位置精度が向上しており、LCDスクリーンやZ軸は容易に取り外しができる設計だ。他にも、レジンの自動充填(じゅうてん)システムや消臭エアフィルターなど、便利な機能を搭載している。
本体サイズは498×358×750mmで、重さは40kg。X、Y軸精度は51μm、Z軸精度は1.25μm、レイヤー厚は10〜200μm、プリント速度は毎時30〜70mmとなっている。
サンステラの販売サイトでは、同年9月末まで「サンステラElegoo取り扱い開始記念セール」を実施しており、通常価格23万3116円を19万8000円(いずれも税込)で販売する。同社は日本語対応の取扱説明書や、初心者向けに3Dプリンタ入門書から抜粋して制作した別刷誌なども合わせて提供する。
⇒ その他の「3Dプリンタ」関連ニュースはこちら
- コロナ禍で生まれた3Dプリンタ活用の流れが、デジタル製造を加速
コロナ禍で、あらためてその価値が再認識された3Dプリンティング/アディティブマニュファクチャリング。ニューノーマルの時代に向け、部品調達先や生産拠点の分散化の流れが加速していく中、サプライチェーンに回復力と柔軟性をもたらす存在として、その活用に大きな期待が寄せられている。2021年以降その動きはさらに加速し、産業界におけるデジタル製造の発展を後押ししていくとみられる。
- 3Dプリンタの可能性を引き上げる材料×構造、メカニカル・メタマテリアルに注目
単なる試作やパーツ製作の範囲を超えたさらなる3Dプリンタ活用のためには、「造形方式」「材料」「構造」の3つの進化が不可欠。これら要素が掛け合わさることで、一体どのようなことが実現可能となるのか。本稿では“材料×構造”の視点から、2020年以降で見えてくるであろう景色を想像してみたい。
- いまさら聞けない 3Dプリンタ入門
「3Dプリンタ」とは何ですか? と人にたずねられたとき、あなたは正しく説明できますか。本稿では、今話題の3Dプリンタについて、誕生の歴史から、種類や方式、取り巻く環境、将来性などを分かりやすく解説します。
- 「単なる試作機器や製造設備で終わらせないためには?」――今、求められる3Dプリンタの真価と進化
作られるモノ(対象)のイメージを変えないまま、従来通り、試作機器や製造設備として使っているだけでは、3Dプリンタの可能性はこれ以上広がらない。特に“カタチ”のプリントだけでなく、ITとも連動する“機能”のプリントへ歩みを進めなければ先はない。3Dプリンタブームが落ち着きを見せ、一般消費者も過度な期待から冷静な目で今後の動向を見守っている。こうした現状の中、慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の田中浩也氏は、3Dプリンタ/3Dデータの新たな利活用に向けた、次なる取り組みを着々と始めている。
- 3Dプリンティングの未来は明るい、今こそデジタル製造の世界へ踏み出すとき
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、サプライチェーンが断絶し、生産調整や工場の稼働停止、一斉休業を余儀なくされた企業も少なくない。こうした中、サプライチェーンに回復力と柔軟性をもたらす存在として、あらためて3Dプリンタの価値に注目が集まっている。HP 3Dプリンティング事業 アジア・パシフィックの責任者であるアレックス・ルミエール(Alex Lalumiere)氏と、日本HP 3Dプリンティング事業部 事業部長の秋山仁氏に話を聞いた。
- 絶対に押さえておきたい、3Dプリンタ活用に欠かせない3Dデータ作成のポイント
3Dプリンタや3Dスキャナ、3D CADやCGツールなど、より手軽に安価に利用できるようになってきたデジタルファブリケーション技術に着目し、本格的な設計業務の中で、これらをどのように活用すべきかを提示する連載。第4回は、3Dプリンタを活用する上で欠かせない「3Dデータ」に着目し、3Dデータ作成の注意点や知っておきたい基礎知識について解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.