世界の技術をいち早く展開、ソフトバンクロボティクスが物流自動化体験施設オープン物流のスマート化(2/2 ページ)

» 2022年09月13日 13時00分 公開
[長沢正博MONOist]
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物流自動化事業では後発も、「点が線になりこれから面へ」

 ソフトバンクロボティクスは2014年に感情認識ロボット「Pepper」を発売し、2019年からはAI清掃ロボット「Whiz」、2021年からは配膳・運搬ロボット「Servi」を販売している。同社 常務執行役員 兼 CPO 兼 ロジスティクス事業本部長の坂田大氏は物流自動化事業について、「世界中からソリューションを発掘していち早くお客さまに届けたい。ヒューマノイド、清掃、配ぜん、それに次ぐ、そして超えていくビジネスに育てていきたい」と意気込む。

ソフトバンクロボティクス 常務執行役員 兼 CPO 兼 ロジスティクス事業本部長の坂田大氏

 物流業界はEコマースが活発化しつつも、少子高齢化などにより労働力不足が大きな課題となっている。さらに働き方改革関連法の施行により、自動車運転業務の時間外労働が年960時間に上限規制され、長距離ドライバーなどに影響を及ぼす2024年問題も指摘されている。「人海戦術はいずれ破綻する。自動化は待ったなしが共通認識」(坂田氏)。富士経済によれば、日本の次世代物流システム/サービス市場は、2021年の6282億円から2026年には9627億円に成長が見込まれている。

 坂田氏は同社が物流自動化事業について後発であることを認める一方で、Pepperなどはこれまでに70ヵ国以上に累計3万5000台以上を導入してきた経験を踏まえ、「お客さまと話し合って現場に導入するという基本的なプロセスは同じ。われわれはサービスロボットではさまざまな環境に導入した経験を世界で一番持っていると思う。苦労も絶えなかったが、全て得難い財産になっている。それぞれのロボットを点で入れていたのが、だんだんと線になりつつある。これからは面になっていくフェーズに入る」と語る。

 坂田氏は、物流において自動化されている領域はまだ15〜20%で、残りは人が行っていると見る。自動化ソリューションは存在しても、まだ導入していない企業も多い。「「100%の自動化を目指すのが正しいのか、という点はよく考えないといけない。最後の10%は人にはかなわない。その部分を自動化するために、コストを倍にしても意味はない。技術の進化とコスト、現実性を見ながら展開したい」(坂田氏)。

成長が見込まれる次世代物流システム/サービス市場(左)と、ソフトバンクロボティクスの物流ソリューションの一例(右)[クリックして拡大]出所:ソフトバンクロボティクス

 SoftBank Robotics Logistics Innovation Labは自動化を検討する企業向けの予約制となっており、2022年9月20日からオンライン受付を開始する。「国際物流総合展」(9月13〜16日、幕張メッセ)のソフトバンクロボティクスのブースでは、先行予約が可能となっている。

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