ソフトバンクロボティクスはAI(人工知能)やロボットを活用した物流倉庫の自動化事業を開始するのに伴い、さまざまなソリューションを体験できる「SoftBank Robotics Logistics Innovation Lab」(千葉県市川市)を設立、オープンに先駆けて施設内部をメディアに公開した。
ソフトバンクロボティクスはAI(人工知能)やロボットを活用した物流倉庫の自動化事業を開始するのに伴い、さまざまなソリューションを体験できる「SoftBank Robotics Logistics Innovation Lab」(千葉県市川市)を設立、2022年9月13日のオープンに先駆けて同12日に施設内部をメディアに公開した。
SoftBank Robotics Logistics Innovation Labで、ひと際大きなスペースを占めているのがノルウェーのオートストア(AutoStore)の自動倉庫システムだ。ソフトバンクが2021年に40%の株式を取得し、日本では初めてソフトバンクロボティクスがグローバル代理店となった。
AutoStoreのシステムは、商品を搬送するロボット、商品を保管するアルミ製の棚のグリッド、商品を保管する専用コンテナのビン、入出荷作業を行うポート、頭脳にあたるコントローラーの5つのモジュールで構成されるピースピッキング向けのソリューションである。
ビンは格子状に組まれたグリッドの中に隙間なく収納されており、その上をロボットが走行してビンをつり上げて回収、作業者が待つポートまで搬送する。
人やクレーンの通路が必要なく、棚の高さを気にせず天井スペースを有効活用できるため、作業者はポートから動かず入出荷作業ができる。高密度に保管できるため、米国の導入企業では保管効率が従来比4倍、ピッキング数3倍、出荷数2倍になった例もあるという。既存設備を考慮した柔軟な設計、構築も可能となっている。機能にもよるが、導入コストは1500m2で数億円という。
同施設にはドイツのピカビ(Picavi)のARスマートグラスを日本で初導入した。AutoStoreとの連携が可能となっており、作業者は端末を操作せずハンズフリーの状態でグラスに表示される指示に従って作業することが可能になる。
また、正確かつ高速なピッキングが可能になるプラスオートメーションの次世代型自動仕分けロボットや中国のXYZ Roboticsによるパレタイジング、デパレタイズロボット、検品工程の自動化をサポートする東芝テックのウォークスルー型RFID(Radio Frequency Identification)トンネルゲート、倉庫内の清掃業務を効率化する清掃ロボットなど国内外20社以上のソリューションを紹介している。今後、さらに追加していく予定で、展示を希望する企業からの問い合わせも受け付けている。
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