半導体製造装置向け樹脂加工品の生産能力増強、熊本工場を増床:工場ニュース
クラボウ 化成品事業部は2022年8月30日、熊本事業所の生産能力と開発体制の増強に向け、新棟の建設用地を新たに取得し、熊本県菊池市と立地に関する協定を締結した。
クラボウ 化成品事業部は2022年8月30日、熊本事業所の生産能力と開発体制の増強に向け、新棟の建設用地を新たに取得し、熊本県菊池市と立地に関する協定を締結した。
クラボウ 熊本事業所は、半導体製造装置に使用される、耐薬品性に優れ、クリーン性が高い高機能樹脂加工品の開発や製造を行っている。昨今の半導体需要の拡大を受け、生産能力と開発体制を現状の2倍以上に増強するため、熊本事業所の新棟建設用地として、2022年8月に熊本事業所の隣接地を取得した。
新たに取得したのは、熊本事業所西側隣接地の5467m2での土地で、建設予定の新棟は、6000m2の延べ床面積となる予定だという。2023年3月頃に着工し、2024年4月頃の操業を目指す。投資額は約20億円となる見込みだ。新棟では、高機能樹脂加工品の生産や検査工程の自動化設備を新たに導入するなど、より生産性に優れた体制を構築する計画だ。また、新規加工製品の商品化を見据えた生産スペースの確保も行う。
現在の熊本事業所の外観 出所:クラボウ
熊本県では、台湾のTSMCが過半の株式を所有する「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社」が菊陽町に進出し、半導体ファウンドリーとして2024年に生産を開始することを発表しており、半導体関連投資の拡大が目立っている。
≫「工場ニュース」のバックナンバー
- 工場で作らないのが理想? クラボウが描くスマートファクトリーの将来像
クラボウは2019年5月28〜29日、都内で開発商品や新たな取り組みを提案する「2020クラボウグループ繊維展」を開催。「ヒューマン・フレンドリー発想 〜人にやさしく、地球にやさしく〜」をテーマとし、新規開発素材や新規サービスなどを出展した。前編では同社のスマートファクトリーへの取り組みを紹介する。
- 今が復活のラストチャンス、日本政府が進める半導体産業戦略
日本ケイデンス・デザイン・システムズでは2022年7月15日に、「CadenceLIVE Japan 2022」を横浜ベイホテル東急で開催し、新製品の技術アップデートやユーザー事例の紹介などが行われた。本稿では、経済産業省 デバイス・半導体戦略室長 荻野洋平氏による招待講演の模様を紹介する。
- 半導体強国復活に向けて日本は何をすべきか、日米連携でポスト3nmプロセス誘致へ
エレクトロニクス製品サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2021 Hybrid」(以下、SEMICON Japan、2021年12月15〜17日、東京ビッグサイト)のオープニングキーノートでは、衆議院議員自由民主党の甘利明氏が「半導体強国復活に向けて」と題して講演した。
- TSMCの国内半導体ファウンドリーが12/16nmプロセスに対応、投資規模は1兆円へ
台湾TSMCとソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソーの3社は、TSMCが国内に建設を予定している半導体ファウンドリーの運営企業であるJASMに、デンソーが約3.5億米ドル出資すると発表した。JASMのファウンドリーは、12/16nmのFinFETプロセスに対応し生産能力も増強するため、設備投資額を約86億米ドル(約9800億円)に増やす。
- TSMCはなぜ台湾外初となる3DICのR&D拠点をつくばに設立したのか
台湾の半導体受託製造大手であるTSMCは2022年6月24日、茨城県つくば市の産業技術総合研究所つくばセンター内に設置した「TSMCジャパン3DIC研究開発センター」の開所式を行った。同センターでは半導体微細化の限界が予想される中、後工程の3次元パッケージ技術の量産を可能とするための技術開発を日本の材料メーカーや装置メーカー、研究機関との共同研究で実施する。
- 半導体露光機で日系メーカーはなぜASMLに敗れたのか
法政大学イノベーション・マネジメント研究センターのシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」では、日本における電子半導体産業の未来を考えるシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」を開催。半導体露光機業界で日系企業がオランダのASMLに敗れた背景や理由について解説した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.