連載第3回の図3で、電磁気学における理論と理論式について説明した。モーターの原理はこの理論に基づいている。図5にモーターの原理を示す(参考文献[1])。
磁場下にある電線に電流が流れると、電線にはトルクが発生する。このトルクと電流は比例し、この比例定数KTを「トルク定数」という。一方、同様に磁場下で電線が角速度ωで回転すると、電磁誘導により起電力Vが発生する。また、起電力と角速度は比例し、この比例定数KEを「起電力係数」という。ここに、相反定理により、
が成立する。
一方、図6に示すように、モーターの巻き線抵抗をRM、インダクタンスをL、回転起電力をVemf(emf:electro motive force)、電流をIとすると、モーター電圧は式4で表現できる。
ここで、定常状態(一定電流)を考えると、
となり、この4つの式からモーター回転数ωMは、
となる。この関係式を縦軸にモーター回転数ωM、横軸にモーターが発生するトルクTMをとって図示すると、図7となる。これより、電圧VBを調整することにより回転数を制御できることが分かる。また、回転数とトルクは反比例関係にあり、かつ回転数とトルクを乗じたものがパワーであるため、最大パワーを発生できる回転数とトルクも式6から予測できる。
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