ロビットは、「FOOMA JAPAN 2022(国際食品工業展)」(2022年6月7〜10日、東京ビッグサイト)において、食品など不定形物のカット系加工の自動化ソリューション「CUTR(カトル)」を披露した。
ロビットは、「FOOMA JAPAN 2022(国際食品工業展)」(2022年6月7〜10日、東京ビッグサイト)において、食品など不定形物のカット系加工の自動化ソリューション「CUTR(カトル)」を披露した。
会場のデモンストレーションではレタスの芯を除去した。レタスはサラダなどの食材として幅広く利用され、野菜の中ではグラム単価が高い部類に入る。芯自体の重量は全体の7%だが、食品加工工場などで慣れていない労働者が行うと周りの食べられる部分も一緒にカットしてしまい、歩留まりの悪化につながる。また、鮮度を保つため工場内は気温が低く保たれている上、早朝や深夜の作業も多く労働者の確保が難しくなっている。
CUTRでは、AIが茎の切断面や葉脈の位置、葉の膨らみ具合などの外観から内部にある芯の位置や姿勢を推定してロボットの動作を決定する。熟練労働者なら芯の除去に1個7秒かかるが、CUTRは5秒で加工できる。歩留まりも熟練労働者と同等という。AIの閾値調整もでき、切り抜く不可食部の増減も可能となっている。
カット機構も自社開発しており、個々の加工対象に合わせて刃を入れる角度を変え、カットする範囲や位置を変えることができる。
その他、豆類など小型の物体の大量検査に最適化したAI外観検査ソリューション「TESRAY Gシリーズ」によるアーモンドを検査、選別するデモも実演した。アーモンドが空中を落下するわずかな間にAIで異常の有無だけでなく種類まで区別する。異常の程度に応じた排出基準を設定でき、歩留まりを最適化できる。
ロビットの代表取締役CEO兼CTOの新井雅海氏は「コロナ禍もあって人手不足が拡大しており、自動化は省人化だけではなく事業の成長や継続のために必須になっている。農作物の加工はこれまで自動化が難しいと思われていた領域だが、自動化が可能になってきている。われわれはAIとハードウェアの組み合わせを強みとしており、自動化を諦めずにお声がけいただければ」と語る。
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