開発工数を低減する3次元公差解析ツールの最新版を発売メカ設計ニュース

サイバネットシステムは、グループ会社のSigmetrixが開発した3次元公差解析ツールの最新版「CETOL 6σ v11.2」の国内販売と技術サポートを開始した。試作品数を削減し、開発工数を低減する。

» 2022年06月09日 09時00分 公開
[MONOist]

 サイバネットシステムは2022年5月26日、グループ会社のSigmetrixが開発した3次元公差解析ツールの最新版「CETOL 6σ v11.2」の国内販売と技術サポートを開始した。試作品数や開発工数を低減できる。

 「CETOL 6σ」は、3D CADデータを活用して、人の手で設計していた公差や寸法を検討、改善することで、高い製品品質を確保できる。製品性能に影響が大きい公差や寸法、最適な公差値、不良低減などを明確にし、短時間で設計改善案を得られる。

3次元公差解析ツール「CETOL 6σ」のイメージ 3次元公差解析ツール「CETOL 6σ」のイメージ 出所:サイバネットシステム

 最新版となる「v11.2」では、熱膨張の機能が向上し、寒暖差や温度変化の影響を考慮しての公差解析が可能になった。従来版では、熱膨張の影響を考慮した解析をする場合、環境温度が変化した際の各部品の寸法値を算出し、その数値を手入力する必要があった。最新版では、各部品の線膨張係数と製品の使用環境温度を入力すれば、熱膨張の影響を加味した公差解析の結果を得られる。これにより、製品の使用環境を考慮した公差解析を、効率的に実施できる。

プロパティの「熱」タブから使用環境温度と各部品の線膨張係数を入力し、熱膨張の影響を計算 プロパティの「熱」タブから使用環境温度と各部品の線膨張係数を入力し、熱膨張の影響を計算[クリックで拡大] 出所:サイバネットシステム

 また、計算負荷の低いシステムモーメント法を演算に使用するため、環境温度の変化で部品に生じる熱膨張を解析結果にすぐに反映できる。複数の温度条件での同時解析も可能で、製品開発工数の低減につながる。

熱膨張を考慮した公差解析結果を瞬時に算出 熱膨張を考慮した公差解析結果を瞬時に算出[クリックで拡大] 出所:サイバネットシステム

 ユーザーインタフェースを改善し、CADモデルからCETOL上に取り込む面や点などを選択する際、その形体がどの部品の面や点なのかが明確に表示可能になった。構成部品数が多い、重なっているといった場合でも、選択ミスを防いで迅速に作業できる。次に選択すべき対象をメッセージで表示したり、連続して形体を選択したりするオプションも追加している。

形体選択画面 形体選択画面[クリックで拡大] 出所:サイバネットシステム

 ワーストケース解析を正確に実施するため、がたつきの最大範囲を四角から円形に改良。ワーストケース解析では、公差幅の上限値と下限値の累積をベースにばらつきの最悪値を算出するが、従来は余裕を持って見積もりしていたがたつきの範囲や影響をより正確に再現できる。

ピンと穴のがたつき範囲例 ピンと穴のがたつき範囲例[クリックで拡大] 出所:サイバネットシステム

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