新機能を追加した、3次元公差解析ツールの最新版を発売:メカ設計ニュース
サイバネットシステムは、3次元公差解析ツール「CETOL 6σ」の最新版v11.0の国内販売と技術サポートを開始した。GD&T(幾何公差)とパターンのダイレクトサポート機能を追加している。
サイバネットシステムは2021年6月17日、グループ会社のSigmetrixが開発、販売、サポートする3次元公差解析ツールの最新版「CETOL 6σ(シーイートールシックスシグマ) v11.0」の国内販売と技術サポートを開始した。
CETOL 6σは、従来の製品開発において、過去の図面の流用や勘と経験によって設定されていた公差解析を、3D CADデータ上で実行する3次元公差解析ツールである。設計初期段階から測定対象に与える公差の影響度やバラツキの予測を明確にできる。
3次元公差解析ツール「CETOL 6σ」 出典:サイバネットシステム
最新版では、GD&T(幾何公差)とパターンのダイレクトサポート機能を追加。平行な円柱や円錐をパターンとして設定できる。パターンは幾何公差として独立した位置度公差や複合位置度公差を設定できる他、パターン自体をデータム形体として指定可能だ。図面の意図を忠実に表現できるため、解析設定作業の簡易化や検証時間の短縮化に寄与する。
4つの穴形体を1つのパターンとして設定し、図面の意図を表現できるパターン例 出典:サイバネットシステム
また、モデルツリーの表示方法を改善し、公差値やデータム形体の設定などが一目で把握可能となった。モデルツリーの寸法公差や幾何公差をダブルクリックするだけで、公差値を編集できる。
モデルツリーでのデータム形体ラベルや公差値表示 出典:サイバネットシステム
モデルツリーでの公差値編集 出典:サイバネットシステム
独立したデータム形体記号の指定機能により、データム形体であることをモデルツリー上で明確に表示できる。形体名とは独立したデータム形体記号を付与し、データム形体にも自由に形体名を設定するため、解析業務を簡略化する。
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