富士経済は、カーボンニュートラル燃料の市場調査結果を発表した。2050年には、液体CN燃料市場は80兆347億円、固体CN燃料市場は11兆4573億円、気体CN燃料市場は34兆8781億円になると予測する。
富士経済は2022年4月27日、カーボンニュートラル(CN)燃料の市場調査結果を発表した。同調査は、バイオメタン、バイオエタノールやe-Fuelなどの「液体CN燃料」、木材チップ、木質ペレットやPKSなどの「固体CN燃料」、バイオメタン、バイオガスやグリーン水素、e-メタンなどの「気体CN燃料」の各分野別に市場動向などを調査し、まとめている。
液体CN燃料市場の2022年見込みは16兆3306億円(2021年比115.8%)、2025年予測は80兆347億円(同5.7倍)となった。現在は自動車向けに採用が進むバイオディーゼルやバイオエタノールが市場の大半を占めるが、2050年にはe-Fuelなどの水素由来燃料の採用も増加し、市場が大幅に拡大すると予測する。
固体CN燃料市場の2022年見込みは6兆1177億円(2021年比106.8%)、2050年予測は11兆4573億円(同2倍)となった。安価で安定供給できることから、バイオマス発電や産業分野でのバイオマス燃料需要の増加に伴い、市場は拡大すると予測する。ただし国内では、バイオマス発電所の大幅な増加が見込めないことなどから、市場は微減が続くとしている。
気体CN燃料市場の2022年見込みは3兆1521億円(2021年比105.8%)、2050年予測は34兆8781億円(同11.7倍)となった。現在はバイオメタン、バイオガスが中心だが、2030年にはグリーン水素やブルー水素の市場が立ち上がり、2050年にはLNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)燃料の脱炭素化に伴う需要増加が予測される。また、2025年以降航空機や発電分野を中心にアンモニア類も徐々に市場を形成していくと予測している。
需要分野別では、CN燃料の採用割合が2050年には、自動車分野では43.8%、船舶分野では44.6%、航空機分野では56.9%、発電分野では50.0%、産業用燃料分野では18.5%になると予測する。
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