金属積層造形のノウハウを群馬発で、ミシュランが共創拠点を太田サイトに設立製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2022年04月19日 13時30分 公開
[三島一孝MONOist]
前のページへ 1|2       

積層造形設備と後工程設備も備えるミシュランAMアトリエ

 ミシュランAMアトリエでは、金属積層造形における設計ノウハウから造形、後工程まで一連の作業を行える環境を用意している。金属3Dプリンタは、パウダーベッド方式(PBF)の「FormUp350」を2台設置している。「FormUp350」の造形サイズは350×350×350mmで、積層ピッチは20〜100μm、造形精度は±0.03mmだとしている。金属粉末を扱うために、減圧室を用意し、金属粉末が外部に漏れないようにしている。その他、サポート材除去や表面仕上げなどの各種設備も用意している。

photo 2台の「FormUp350」[クリックで拡大]
photophoto 金属積層造形のサンプル。(右)はミシュランAMアトリエのテープカットで使われたハサミ[クリックで拡大]

 このミシュランAMアトリエを活用したGAMの具体的な活動としては、主に金属積層造形についての「教育」「実用化支援」「共同開発」の3つを実施する。教育では、入門(e-Learning)、初級、中級、上級など、レベルに応じた教育プログラムを用意。基礎的な知識を身に付ける。「実用化支援」については、積層造形の適用相談から高度技術サポートまで幅広く支援する。3Dデータに基づいてPOC(概念実証)のための造形なども行う。支援には、日本ミシュランタイヤのエンジニア5人と、GAMの6社から1人ずつの合計11人が対応する。「共同開発」は、GAMでのノウハウの共有と共同研究、効率的な知見の蓄積と活用などを進める。「GAMには“群馬”の名前が入っているが、群馬以外の企業の参画についても問題はない」(鈴木氏)。今後は、新たな参加企業などを募りつつ、早期の実用化実績を作ることを目指しているという。

≫「製造マネジメントニュース」のバックナンバー

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.