ポスト量子暗号に対応、組み込みシステム向けセキュリティライブラリを発表IoTセキュリティ

wolfSSL Japanは、組み込みシステム向けセキュリティライブラリ「wolfSSL 5.2.0」が、ポスト量子暗号に対応したと発表した。ポスト量子暗号によるプロトコルを、簡単に自社製品のネットワーク接続機能へ組み込める。

» 2022年04月08日 11時00分 公開
[MONOist]

 wolfSSL Japanは2022年3月16日、同社の組み込みシステム向けセキュリティライブラリ「wolfSSL 5.2.0」が、ポスト量子暗号に対応したと発表した。ユーザーは、自社製品の構造や開発環境を変えることなく、ポスト量子暗号によるプロトコルをネットワーク接続機能に組み込める。

 wolfSSLはC言語で開発したライブラリで、処理速度やメモリといったリソースに制約がある組み込みシステムやRTOSに適する。インターネットセキュリティの標準プロトコル「TLS1.3」「DTLS1.2」に対応する。

 最新のwolfSSLでは、オープンソースプロジェクトのオープン量子安全(OQS:Open Quantum Safe)が提供するライブラリ「liboqs」のアルゴリズムを実装し、組み込みシステムで利用できるようにした。

 liboqsは、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)のポスト量子暗号標準化(Post-Quantum Cryptography Standardization)に向けたコンペティションのラウンド3で最終候補となった、暗号化および鍵交換アルゴリズム、署名アルゴリズムをサポートしている。

 wolfSSLは、オープンソースライセンスまたは商用ライセンスで提供する。デバイスや商用ソフトウェア製品にwolfSSL製品を組み込む場合は、商用版の契約が必要となる。

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