三菱重工業は2022年3月18日、同社のカーボンニュートラル実現に向けた目標設定や取り組みの現状についての説明会を開催した。同社の総投資額に占めるカーボンニュートラル関連の投資比率を高め、2030年までに約2兆円を投じるとしている。
三菱重工業(以下、三菱重工)は2022年3月18日、同社のカーボンニュートラル実現に向けた目標設定や取り組みの現状についての説明会を開催した。同社の総投資額に占めるカーボンニュートラル関連の投資比率を高め、2030年までに約2兆円を投じるとしている。
三菱重工は現在、カーボンニュートラルの目標として「MISSION NET ZERO」というコンセプトを掲げており、2030年までに、GHG(温室効果ガス)プロトコルで定めるスコープ1、2については2014年比で50%削減、スコープ3では2019年比で50%削減を目指している。また、スコープ1、2、3全てで、2040年までにCO2の排出量を実質的にゼロにする、ネットゼロを実現するとしている。
目標達成に向けて同社は、自社工場で必要な燃料量や電力量、製造コストを算出した上で、モノの整流化や、ヒートポンプなどを活用した排熱の再利用、非化石エネルギーの活用といった取り組みを進める。さらに、カーボンニュートラル推進の中で培った技術やノウハウを、新事業として外部にも展開していく計画だ。
これに伴い、カーボンニュートラル実現に向けた投資額も大幅に増やす。三菱重工における設備投資、投融資、研究開発投資を合算した年間総投資額は2018〜2020年の事業計画である2018年事計の段階で3000億円であり、この内、カーボンニュートラルを目的とした投資は40%を占める。これを将来的に総投資額の80%にまで比率を高め、2030年までにカーボンニュートラル向けに累計2兆円規模の投資を行うとした。これによってカーボンニュートラル向けの産業、技術開発を加速するとしている。
説明会では、三菱重工が進めるカーボンニュートラル関連の技術開発の現状についても紹介した。
熱源の電化に加えて排熱などの利用により、工場におけるエネルギー消費量を削減する「高温ヒートポンプ」については、2022年度には試作機設計、製作を完了して、2023年度に社内工場で実証実験を行う予定だとした。
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