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» 2022年03月10日 12時45分 公開

人が生きるオートメーションへ、オムロンが新たな長期ビジョンと中期計画を発表製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

[三島一孝,MONOist]
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制御機器事業はアプリケーション創出をさらに拡大

 これらの2030年をターゲットとした長期ビジョンに対し、3つのステージを設定し、3カ年の中期経営戦略により実現に近づけていく考えだ。このファーストステージとなる2024年度までを対象とした中期経営計画は、トランスフォーメーション加速期として位置付け、社会課題を捉えた価値創造と持続的成長への能力転換を加速させる。

 事業のトランスフォーメーションとしては、制御機器、ヘルスケア、社会システム、電子部品の4つのコア事業それぞれをさらに進化させる。制御機器事業では注力領域としてデジタル、環境モビリティ、食品・日用品、医療、物流の5つを設定した。デジタル領域は半導体を中心とした生産能力増強の動きと超微細化への対応を進める。環境モビリティ領域ではEV向けの2次電池を中心に高効率生産へのニーズが高まっており、これらへの対応を進める。食品・日用品では脱プラスチックの動きから新たな包装材へのニーズが高まっておりこれらの技術革新を推進する。その他、医療領域では偽薬流通防止へのトレーサビリティー強化、物流では人員不足に対する自動化ニーズにこたえていく。

 具体的には2016年から推進してきたモノづくりコンセプト「i-Automation!」をさらに進化させる。またモノづくりデータサービスである「i-BELT」のグローバル展開を強化する。さらに、AI、5G、ロボット技術におけるパートナーとの共創も強化していく方針だ。これらの取り組みにより、売上高はCAGR(年平均成長率)7%となる5300億円(2024年度)を目指す。また、KPI(重要経営指標)として新たにi-Automation!採用顧客数を設定し、2024年度には、2021年度の約2倍となる5000社での導入を目指す。

photo 制御機器事業の中期経営計画における取り組み[クリックで拡大] 出所:オムロン

 i-Automation!採用顧客数は、i-Automation!で推進しているアプリケーションの採用数と位置付けており、このアプリケーション創出強化も推進。現在用意済みのアプリケーションは230あるが、主要顧客との共創により、さらにこれを増やしていく。そのため、全世界で現在37カ所展開しているオートメーションセンタ―やセールスエンジニアの増強を図る。グローバルでのセールスエンジニアは2024年度には2021年度比で約1.3倍となる2000人強に増やす計画だ。さらにシステムインテグレーターとのパートナーシップ拡大にも取り組む。

photo 制御機器事業におけるアプリケーションビジネスの進化[クリックで拡大] 出所:オムロン

カーボンニュートラル領域の強化を推進

 ヘルスケア事業では、循環器や呼吸器、ペインマネジメント、遠隔診療サービスなどを対象領域とし、中国の地方都市やインド市場のマーケティング強化や、革新デバイス創出により呼吸器事業の拡大に取り組む。また血圧計から循環器計測デバイスへの拡張を進めていく。これらにより売上高はCAGR10%となる1800億円(2024年度)を目指す。また、KPIとしてグローバルでの血圧計販売台数を、中期経営計画期間累計で9400万台、遠隔診療サービス利用者数を累計で60万人として設定している。

 社会システム事業は、新たに再生可能エネルギー制御を注力事業に位置付ける。遠隔制御可能な蓄電システムの導入拡大を進める。またマネジメント&サービス型のビジネスモデル確立を推進し、鉄道関連事業のビジネスモデル変革などと組み合わせ、リカーリング型サービス事業の創出と拡大に取り組む。さらに電力小売事業者とのアライアンスによる蓄電システムの産業向けPPA事業の展開を加速させる。これにより2024年度には売上高1000億円を目指す。また、エネルギーマネジメント機器接続台数を中期経営計画期間累計5万台をKPIとして位置付ける。

 電子部品事業は、直流電流(DC)機器や高周波機器を注力事業として位置付け、新商品創出に取り組む。主要顧客との共創や研究機関や技術ベンチャーとのアライアンスを進める。市場に対して先行的に商品投入を進めることで、市場開拓を進める方針だ。2024年度の売上高目標は1100億円で、3年間累計でDC機器向け製品6000万個、高周波機器向け製品1億7000万個を目指す。

photo 2024年度のセグメント別目標[クリックで拡大] 出所:オムロン

新たにスコープ3の目標を設定

 サステナビリティ強化としても新たに2024年度には2016年度比で温室効果ガス排出量53%を削減する。国内全76拠点のカーボンゼロ実現を目指す他、グローバル拠点の省エネ化も加速させる。また、新たにスコープ3 カテゴリー11における2030年度目標を設定し、2016年度比で16%削減を目指す。

 山田氏は「次の10年は時代の転換期となり、ソーシャルニーズ創出の機会が多くなる。ここまでの収益力強化などを含む取り組みでオムロンでは着実にこれらを捉え、新たなニーズ創出に迎える準備ができている」と抱負を語っている。

photo スコープ3の目標[クリックで拡大] 出所:オムロン

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