ホンダは自動車に関わるサービスについて既にさまざまなパートナーがいる。ソニーとの新会社はホンダブランドとは別の取り組みであるとはいえ、似たことを繰り返すのでは効率に欠ける。ソニーと組むからこその“新しい価値の創出”には、既存のパートナーとの間にはないアイデアが必要だ。
ホンダは2022年後半から新型車に搭載するコネクテッドサービスでは、Googleと協力している。北米を手始めに、順次グローバルに展開するとしている。具体的には、音声アシスタントである「Googleアシスタント」、ナビゲーション用の「Googleマップ」、運転中の利用に最適化された音楽やポッドキャスト、オーディオブックなどのアプリを入手できるアプリストア「Google Play」などの機能を提供する。2025年にはさまざまな車種と地域に普及し、機能の改良やOSの更新も進む頃合いだと考えられる。
このコネクテッドサービスはスマートフォンを車載機に接続して利用する「Android Auto」とは異なり、ライン装着用のインフォテインメントシステムとして踏み込んでGoogleと共同開発するとみられる。同様のインフォテインメントシステムを先駆けてボルボが乗用車向けに製品化した。
Google製のインフォテインメントシステムは、ユーザーが既に所有するGoogleアカウントでログインして使うことができる。GoogleマップやGoogleカレンダーなど普段使用しているアプリをそのまま車内でも利用できるという意味では、“個人に合わせたサービスの提供”はGoogleとの協業でも実現できてしまう。
また、自動運転車を使った移動サービスは、GMやその子会社のGMクルーズと共同で取り組んでおり、その車両開発もGM、GMクルーズ、ホンダの3社で行うこととなっている。すでに、運転席のないレベル4の自動運転車までGMらと開発が進んでいる。自動運転車を使った移動サービスの日本における事業運営は、ホンダ子会社のホンダモビリティソリューションズが担う。自動運転中の車内での過ごし方にソニーが関わるのであれば、GMとホンダの成果も踏まえた上での検討が求められそうだ。
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