自動車部品メーカーにランサムウェアによる不正アクセス、情報流出などの被害はなし:工場ニュース
自動車部品メーカーのGMBは2022年3月1日、ランサムウェアとみられる不正なアクセスを受けたと発表した。
自動車部品メーカーのGMBは2022年3月1日、ランサムウェアとみられる不正なアクセスを受けたと発表した。
不正アクセスを確認したのは同年2月27日未明。現在は、被害拡大を防ぐために同社サーバのネットワークを遮断し、不正アクセスを受けたファイルの特定や原因の調査、復旧作業を並行して進めているという。サーバ全体に被害が及んでおり、特定作業や調査の完了、日常業務への復旧には時間がかかると見込んでいる。
現時点では、サーバに保管されていた情報の流出や不正な公開、海外のグループ拠点への被害は確認されていないとしている。海外では米国、韓国、中国、タイ、ロシア、ルーマニア、オーストラリアにグループ会社を持つ。
GMBの主な取引先は、ジェイテクト、協和工業、山田製作所、辰巳屋興業、GKNグループ、DANAグループ、ZF、IFA、TyeSoon、Dyna Tradeなど。国内の生産拠点は、奈良県川西町や大阪府八尾市にある。
自動車業界では、トヨタ自動車の仕入先である小島プレス工業で、サイバー攻撃によるシステム障害が発生し、影響がトヨタ自動車や日野自動車に及んだ。これを受けて3月1日にトヨタでは国内の全工場で、日野は古河工場(茨城県古河市)と羽村工場(東京都羽村市)の生産を停止した。
日本自動車工業会と日本自動車部品工業会は、2020年3月に自動車産業向けのセキュリティガイドラインを策定。エンタープライズ領域で、企業規模に関係なく必要最低限実施すべき要求事項や達成条件をまとめている。自社の取り組み状況を自己評価し、対策レベルを効率的に点検するためのチェックシートも公開されている。
→「工場ニュース」バックナンバー
- 小島プレスのシステム障害でトヨタが国内全工場の稼働停止、日野自動車も
日本国内の仕入先で発生したシステム障害の影響を受けて、トヨタ自動車や日野自動車が工場の稼働を停止する。トヨタと日野がそれぞれ2022年2月28日に発表した。トヨタは、内装部品などを手掛ける小島プレス工業でのシステム障害の影響だとしている。
- 1時間の稼働停止で損失は1億円以上、自動車工場をサイバー攻撃から守れ
製造業におけるサイバーリスクとセキュリティトレンドおよびそれらの課題と対策について説明する本連載。第2回は、日本の製造業をけん引する自動車業界の工場におけるOTとITの統合に向けたサイバー攻撃への対策を取り上げます。
- スマート工場で見逃されている2大侵入ポイントとは?
スマート工場化が加速する一方で高まっているのがサイバー攻撃のリスクである。本連載ではトレンドマイクロがまとめた工場のスマート化に伴う新たなセキュリティリスクについての実証実験研究の結果を基に注意すべきセキュリティリスクを考察する。第1回では、工場の「スマート化」とは何かを定義するとともに、そこから見えたスマート工場特有の侵入経路について解説する。
- 出荷後の車両や部品の脆弱性に、あなたの会社はどう行動すべきか
本連載では、2019年9月の改訂案をベースにOEMに課されるWP.29 CS Regulationsのポイントを解説し、OEMならびにサプライヤーが取り組むべき対応について概説する。前回は自動車のサイバーセキュリティに必要な組織づくりや、開発フェーズでのプロセス構築について紹介した。今回は生産フェーズ以降のサイバーセキュリティマネジメントシステム(Cyber Security Management System、CSMS)のプロセス構築について説明していく。
- トヨタ自動車の3月の稼働調整、10万台減産も過去最高の生産台数に
トヨタ自動車は2022年2月14日、3月の生産計画を発表した。当初織り込んでいた挽回生産の台数をグローバルで十数万台程度見直し、グローバル生産で95万台を計画している。減産ではあるが、月間生産台数としては、過去最多の2012年3月の87万台を大きく上回る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.