キヤノンITソリューションズは、日本電産が幅広い工程での設計効率化とリードタイム短縮を目的に、ミッドレンジ3D CAD「SOLIDWORKS」と構造解析ツール「SOLIDWORKS Simulation」を導入し、大きな成果に結び付けることができたと発表した。
キヤノンITソリューションズは2022年2月16日、日本電産が幅広い工程での設計効率化とリードタイム短縮を目的に、ミッドレンジ3D CAD「SOLIDWORKS」と構造解析ツール「SOLIDWORKS Simulation」を導入し、大きな成果に結び付けることができたと発表した。
日本電産 精密小型モーター事業本部では、2012年まで、2D CADによる設計が中心で、特定の部品のみを複数種類のハイエンド3D CADで設計している状況だった。しかし、社内外からの設計効率化やリードタイム短縮、開発コスト削減といった要求が年々厳しくなると同時に、顧客から3Dによる設計開発を求められることが増えてきたことから、3D設計体制を強化。コストパフォーマンスと使い勝手の良さから、3D CAD環境としてSOLIDWORKSを選定した。2012年以降、ライセンス数を着実に増やしてきたが、2021年にはさらなる設計の3次元化に向けてSOLIDWORKSの大幅な導入に踏み切った。
一方、SOLIDWORKS Simulationの導入については、設計者自身が設計しながら同時に解析できること(設計者CAEの実現)が評価され、設計品質の向上、設計効率化、リードタイム短縮に役立てられているという。また、SOLIDWORKSおよびSOLIDWORKS Simulationで生成された3Dモデルの視認性の良さを生かし、他部門や顧客などとのスムーズなコミュニケーションを実現。これにより大規模システムのチーム設計を可能にし、大規模設備設計の標準化にもつなげられたとする。
現在、日本電産 精密小型モーター事業本部では、試作、金型設計、検査、設備設計、部品/治具製作、調達など幅広い工程で3Dモデルを活用し、設計効率向上とリードタイム短縮に大きな成果を挙げ、“設計完全3次元化”を推進しているという。
今後、日本電産は製品設計と量産設備の同時並行開発を目指し、新しい形のコンカレントエンジニアリングの実現に向けて、さらなる3D設計体制の強化を図りたい考えだ。一方、キヤノンITソリューションズは、今後も日本電産の3D設計推進に向けた提案を続けるとともに、3D設計による効率化の実現に広く貢献していくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.