ブロックチェーン推進協会は2022年2月10日、IoTデバイスを通じたデータ取引基盤をテーマとするオンラインセミナーを開催した。セミナーでは、ぷらっとホームが、ブロックチェーンを活用してIoTデータ流通基盤技術開発を目指す「ATLASプロジェクト」について解説を行った。
ブロックチェーン推進協会(BCCC)は2022年2月10日、IoT(モノのインターネット)デバイスを通じたデータ取引基盤をテーマとするオンラインセミナーを開催した。セミナーでは、IoTゲートウェイ製品などを手掛けるぷらっとホームが、ブロックチェーンを活用してIoTデータ流通基盤の開発を目指す「ATLASプロジェクト」について解説を行った。
ATLASプロジェクトはサイバー空間とフィジカル空間を結び付けて、IoTデータのセキュアなデータ流通基盤の実現を目指す取り組みである。基盤は、ブロックチェーン技術を活用してIoTデバイスのデータを処理するデータ取引基盤「PTPF」と、クラウド間のデータ流通も可能にするIoTデータの伝送基盤「DEXPF」による、2層構造を想定する。
PTPFとDEXPFは互いに連携し合い、「フィジカル空間のデバイスをサイバー空間から認識可能にする(アセット管理)」「認識可能になったデバイスから収集したデータを任意のステークホルダーに伝送し、契約の執行、対価の決済を行う(データの伝送/取引)といった機能を実現する。IoTデータに所有権などの各種取引情報などのメタデータを付与しつつ、ブロックチェーン技術によって分散化された多様な参加者からのアクセスに耐え、かつ高信頼性を持つ基盤を実現する。
またPTPFでは、データ流通基盤の所有者、IoTデバイスの所有者、データに基づくサービスの提供者、サービス提供者へのデータ販売者など、IoTデータの流通に関わるステークホルダーの役割を簡潔に定義している。これによって将来的にIoTデータに関わるステークホルダーやデータ取引が爆発的に増加しても、十分なスケーラビリティを発揮できる構造を備えているという。
ぷらっとホーム 代表取締役社長の鈴木友康氏は、「従来のIoTデータ流通基盤では、『大量かつ複数のIoTデバイスを組み合わせる必要がある』『IoTデバイスのオーナーシップが変更され得る』『自社以外のデバイスやサービスを組み合わせる必要がある』などといったニーズに応えられるものが、現実的にはなかった。ATLASプロジェクトで目指す基盤は、これらの課題を解決し、スマートシティー、モビリティサービス、公共社会システム、物流、家電などの領域で新たなソリューションを生む可能性がある」と説明した。
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