製造現場ではコロナ禍などを背景に人材教育のオンライン化を検討する向きが強まっている。コニカミノルタの「COCOMITE」はこうしたニーズに応えるオンラインマニュアル作成サービスだ。
国内製造業では現在、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れの中で、製造工程を効率化、省人化するニーズが高まっている。最近では現場業務の効率化だけでなく、工場の人材教育におけるデジタル化を進める動きもあるようだ。
コニカミノルタ 情報機器開発本部 DX開発推進センター4G マーケティングリード 高松萌香氏(※)は「デジタルツールを工場の現場教育に活用することで、技能継承や業務標準化を効率的に行いたいというニーズが高まっているように感じる」と語る。こうした環境を追い風に、同社が2020年2月にリリースしたオンラインマニュアル作成ツール「COCOMITE(ココミテ)」も引き合いが増えつつある状況だという。
※正確な「高」は、口の部分が目になっているはしご高
COCOMITEは業務手順などを示したマニュアルを、オンラインプラットフォーム上で作成、閲覧、管理できるサービスである。従来、マニュアルはExcelやパワーポイント、あるいは紙などの形式で作業者に配布されることが多かった。これらの形式ではマニュアルを必要な時にすぐに参照しづらい、最新版と旧版の取り違いが起きやすいといったトラブルが発生し得る。デジタルで一元管理、作成する環境を提供することで、こうした課題の解決を図る。
オンラインマニュアルはPCの他、タブレット端末やスマートフォンからも参照できる。URLリンクやQRコードなどで、マニュアルを共有することも可能だ。例えば、工場の機械設備にQRコードをプリントした紙を貼り付けておくことで、現場の作業担当者が適宜スマートフォンなどで読み取り、機械操作時の不明点や疑問点をその場ですぐに解消する、といった使い方もできる。COCOMITE上ではマニュアルを最新版に更新すると、誰でもすぐに参照できるため、正確でタイムリーな情報共有が可能だ。
COCOMITEにはマニュアルのサンプルフォーマットが用意されている。フォーマットに従って必要項目を記入することでマニュアルを簡単に作成でき、また複数のマニュアル間でも書式を統一化しやすい。作成工数の削減に寄与する。また、必要に応じて画像や動画を差し込むことも可能で、煩雑な手作業工程など、実際の作業手順を文章よりも視覚的に分かりやすく伝えられる。1人でも作業が理解しやすくなるため、OJT(On The Job Training)教育の負担軽減にもつながる。
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