ソニーのローカル5G事業参入は民生向けから、B2B向けではエンタメ革新も視野:製造業IoT(2/2 ページ)
NURO Wireless 5Gのサービス提供は、NURO光を提供するソニーネットワークコミュニケーションズではなく、ソニーグループの100%子会社として2020年10月に設立されたソニーワイヤレスコミュニケーションズが担う。ただし、同社の代表取締役社長はソニーネットワークコミュニケーションズ 社長の渡辺潤氏が務めており、ソニーグループが提供する通信サービスとし「NURO」ブランドの下、連携して事業を展開していくことになりそうだ。
ソニーワイヤレスコミュニケーションズは、事業内容を「ローカル5Gサービスの提供」としており、「NURO 5G」のブランド名称で展開していく方針。NURO 5Gのうち、民生向けのNURO Wireless 5Gを先行して事業を開始するが、B2B向けサービスの開始時期は明らかにしなかった。渡辺氏は「ソニーグループ内の連携も含めていろんなサービスを検討していきたい。例えばエンターテインメント領域とのコラボレーションや、放送局向け機器の無線化などがある。この他についても、法人顧客の求めに応じてローカル5Gサービスを提供していきたい」と語る。
なお、2019年末に総務省がローカル5Gサービスの免許申請受付を開始して以降、多数の国内企業が参入しているが、その多くが製造業や自治体など向けのB2B向けサービスを主力に据えている。民生向けから始まるソニーのローカル5G事業は、それらと比べて違いが際立っており、さらにB2B向けサービスでもエンターテインメントや放送局向けを例として挙がる点でも大きく異なっている。
会見後には、ソニー・ミュージックレーベルズ所属のアーティストであるいきものがかりの水野良樹氏が登壇。スペシャルトークとして、ローカル5Gをはじめとする新たな技術を活用したエンターテインメント革新の可能性について渡辺氏と語り合った。水野氏は、高速、大容量、低遅延を特徴とする5Gにより「ライブ会場で行われているコンサートについて、音楽だけでなく、感動や熱量も併せて別会場や家庭内に届けられる」、YouTuberなどの登場によりユーザーとクリエイターという境目がなくなりつつあることを念頭に「家庭からローカル5Gで発信することも起こり得るだろう」などと述べている。
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