「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2021」の基調講演で、ソリッドワークス・ジャパン 代表取締役社長のフィリップ・ゴドブ氏が登壇し、「SOLIDWORKS Japan 代表取締役社長のフィリップ・ゴドブに問う〜これからの製造業とSOLIDWORKSについて〜」をテーマに、エンジニア出身ならではの視点で、プラットフォームの重要性やつながることの価値について語った。
ソリッドワークス・ジャパンは、3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2021」を、前回に引き続きオンラインで開催した(ライブ配信:2021年11月16、17日/オンデマンド配信:同年11月16日〜12月3日)。
開催初日(同年11月16日)の基調講演のライブ配信では、同社 代表取締役社長のフィリップ・ゴドブ氏(ダッソー・システムズ 日本法人の代表取締役社長も務める)が登壇し、「SOLIDWORKS Japan 代表取締役社長のフィリップ・ゴドブに問う〜これからの製造業とSOLIDWORKSについて〜」をテーマに、エンジニア出身ならではの視点で、プラットフォームの重要性やつながることの価値について語った。
ゴドブ氏は、カナダのシャーブルック大学で機械/航空宇宙工学を専攻し、卒業後、ダッソー・システムズでCAD/CAM/CAEアプリケーションのエンジニアとしてキャリアをスタート。以後、20年以上にわたりさまざまな職務に従事し、特に航空宇宙や自動車産業に関する豊富な経験、知見を獲得してきた。
日本に初めて赴任したのは2000年3月のことで、企業のデジタル化支援が主なミッションだったという。「当時は、多くの企業が3D技術やデジタルプロトタイプを用いたプロセス改善に取り組んでおり、物理的なプロトタイプ、つまり実機による試作の数を削減しようと模索していた。こうした企業を支援するために日本に赴任した」とゴドブ氏は振り返る。その後、大企業顧客での大型航空機開発プロジェクトに参画し、グローバルコラボレーションの推進にも尽力した。
日本でのビジネス経験として、ゴドブ氏は合計8年間、東京でアジア全域のサービスおよびコンサルティングビジネスのマネジメントを担当するなど、日本の製造業やモノづくりだけでなく、文化についても深く理解し、体験する機会を得たという。さらに、現在の役職に就く前に赴任していた北米では、「パートナーエコシステムでの業務を通じ、中小規模の企業が直面する課題や必要とするアプローチなどが大企業のそれとは大きく異なることを学んだ」(ゴドブ氏)。
ゴドブ氏が再び日本に赴任したのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックが発生するよりも前のことで、ダッソー・システムズの今度20年間のビジョンや活動を踏まえ、新たな課題に直面する日本の産業界を支援すべく、ダッソー・システムズの日本法人およびソリッドワークス・ジャパンの代表取締役社長に就任した。
ゴドブ氏は、北米と日本での経験を踏まえて、「同じ中小規模の企業でも米国と日本では状況は異なるが、最新技術を駆使し、いかにして新たなシステムや製品を生み出すかという考え方は共通する」と述べる。だが、現代のモノづくりは、その全てがある1つの領域だけで完結するものではなく、製品設計の段階から複数領域のあらゆる人たちとつながりながら、共同作業を行う必要があるため、「スタートアップがそうした環境を一度に導入するのは難しい」(ゴドブ氏)と指摘する。
そして、こうした環境構築の助けになる存在が、SOLIDWORKSのソリューションと3DEXPERIENCEプラットフォームだとし、これらを活用することで、設計者や他領域のエンジニアとのコラボレーションを実現し、異なるプロセス間の連携にも少しずつ踏み出せるようになるという。
一方、非常に大規模なプロジェクトにおいても、複数領域の多くの専門家/エンジニアによるコラボレーションの実現は欠かせない。こうした環境を実現する上でも“インフラ”ともいえるプラットフォームの存在が必要であり、同時に、世界中の企業、多くの人々と共同作業が進められるよう“共通言語”の構築も重要だという。
「その際、“3D”そのものが1つの『言語』であるといえるし、CADやPLMといったシステムもお互いに議論する際の『共通言語』だといえる。これら共通の言語に必要な全ての情報システムを理解し、その言語をさらに進化させる必要がある。それこそ、ダッソーグループが行っていることだ。そうした共通の言語を通じて、設計、シミュレーション、製造など、あらゆる側面に関する必要な情報を共有することで、プロジェクト関係者全員による共同作業が実現できる」(ゴドブ氏)
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